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短篇集  作者: 猫田たい子
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第7話 飼い主の視点

 私は黒猫だ。人間に飼われている。いや、私が人間を飼っているといっても過言じゃない。

 私が飼っている人間には友達がいない。私を友達だと思って話しかけてくる。


 人間は私に向かって「黒ちゃん、今日はどうだった?」と尋ねる。

 どうだったも何も、一日中昼寝して窓から外を見ていただけだ。

 それでも人間は嬉しそうに私を見て笑っている。


 人間って本当に単純だ。


 私は人間の足元にすり寄って尻尾を絡めた。

 わざと机の上にあったコーヒーをひっくり返した。


「うわっ!」


 人間は大げさに叫び、慌ててティッシュでコーヒーを拭き始める。


 その間、私はくつろぎながら毛づくろいをする。

 友達のように話しかけてくる人間に、ただ微笑んであげる。


 微笑みは偉大だ。

 だって私はかわいいのだ!


 人間よ、お前は私に尽くしているつもりか。

 甚だしい勘違いだ。


 私こそが支配者だ!




2026/02/25

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