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短篇集  作者: 猫田たい子
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第6話 箱の中

 私は猫だ!


 見た目がかわいいせいで、人間達から「抱っこしたい!」対象になっている。

 この状況を避けたいが、いつも人間達に追いかけ回される。


 今日も追いかけられて、隅に追い詰められた。

 ああ、思い切りドアを突き破られる大型犬に生まれたかった……。


 私は人間達に箱に閉じ込められた。

 箱の中は真っ暗だった。


 外から声がする。


「今日は多いね」

「暴れる子もいるから気をつけて」


 何の話だ?


 暗闇から感じる外の気配は異様なほど恐ろしく、他の猫たちの悲鳴も聞こえた。

 そういえば、先週いなくなった老猫はまだ戻っていない。


 私はこれからどうなるのだろうか。そう思ったと同時に、箱が揺れた。


「次、この子ね」


 一瞬の隙を見て逃げ出そうとしたが、数人の人間に押さえられてそれどころではなかった。


 痛い……。

 鋭い痛みが走る。

 誰か、助けてほしい……。


 私はまた箱に戻された。

 押さえつけられた身体の痛みに、新たな恐怖を感じた。


 ここは『最期の場所』なのだろうか。

 次第に身体がガタガタと震え出し、呼吸も乱れた。


 恐怖の中、好きな猫が頭に浮かんだ。また彼女に会えるなら次こそ愛を告白しよう。


 私は両目を閉じて死を覚悟した。


 箱が開けられ、私は目を覚ました。

「おかえり~」

 人間達が笑顔で迎えた。


 一体何が起こっているんだ!

 私は警戒して箱の中にうずくまっていたが、好きな猫が笑顔で近寄って来て言った。


「ワクチン、痛かったニャ?」


 私は身体の力が一気に抜けて、そのまま眠りについた。





2026/02/25

ケッチャム先生の「The Box」を読了。

...as if to say nyah nyah and then looked down into the box.

「nyah nyah」って猫の鳴き声? って思ってクスッとなった。

あとがきをリスペクトして箱の話を書いた。

カタルシスになってる?

RIP

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