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短篇集  作者: 猫田たい子
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第4話 金継ぎ教室

 私は数年前に白猫の里親募集をした。

 里親さんから久しぶりにメールが届いたが、猫の写真はなかった。


「今度うちに遊びに来てください」

 メールに書かれていたので、直接会いに行くことにした。


 自宅に着くと里親さんは金継ぎ教室を開いていた。

 以前私は金継ぎ教室に通ったことがあったが、金継ぎに使う筆は白猫の、しかも飼い猫の毛で作ると知って通うのをやめていた。


 辺りを見渡すと白猫の姿が見えない。

 そわそわしている私に里親さんは言った。

「もう直ぐ現れます」


 宅配便が届いた。

「ああ、やっと筆が届いた」

 里親さんの言葉に私の背筋が凍った。


 里親さんは目の前で段ボール箱を開け、中から筆を取り出した。

「失礼します!」

 私は慌てて家を飛び出した。


 入れ替わりに、里親さんの妹がキャリーを手に入って来た。

「今日は動物病院が混んでた……」

 疲れた様子でぼやきながらキャリーを開けると、中から白猫が現れた。


 家族の一員に猫がいたら、猫毛の筆なんて絶対に使えない。




2026/01/18

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