第37話 三日で入れ替わるバナナ
美術館の壁に一本のバナナが貼られていた。
テープで固定されたバナナは「作品」として展示され、数億円の価値があると書かれていた。
バナナは三日ごとに交換される。当たり前だが腐るからだ。
これはバナナそのものの作品ではなく、交換され続けるというルールの作品だった。
ある朝、バナナが消えていた。
警備員が気づいた時、壁にはテープだけが残っていた。
誰かが持ち去ったのか、食べたのか、それともいたずらか……。
ニュースは瞬く間に広がった。
「数億円のアート、盗難」
「話題のバナナ作品、再び事件」
SNSには笑いと驚きが混ざっていた。
「ただのバナナやろ」
「いやこれでニュースになるの草」
美術館は警察に被害届を提出し、代わりのバナナを用意した。
三日もすれば交換されるが――そのことは誰も気にしなかった。
何事もなかったかのように、壁に一本のバナナが戻った。
これはアートなのか、それとも騒がれる仕組みそのものなのか。
答えはまだ壁にぶら下がっている。
2026/06/01
「世界一高額『バナナ作品』が盗難──美術館は即座に新しいバナナを設置」
https://artnewsjapan.com/article/75074
お題にした。
食べられるバナナ。3日で交換されるバナナ。被害届。
バナナやで。
このコンセプチュアルアート、「簡単に元に戻るものを作品として扱う事自体テーマ」で、盗難=事件になるのも含めてアート。
被害届は、「作品として展示されているものが損なわれた」から。
100円のバナナは、3日したら交換する為に破棄。
食べ物を粗末にするアートは正直苦手。
ほんま、よー分からん。




