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短篇集  作者: 猫田たい子
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26/48

第26話 便器列伝

 ヨハンは普通の男性用便器に自分のサインを書き込んだ。

 便器を展覧会に出したが、批評家は激怒し、観客は嘲笑した。


「これがアートだって?」


「私は便器を作ったのではない。便器をアートとして選んだだけだ」

 ヨハンは堂々と答えた。


 年月が経ち、その便器は現代アートの象徴となり、観る者を驚かせて考えさせる存在となった。


――そのはずだった。


 ところが、美術館の職員は困惑の日々を送ることになる。


「えっと、この便器、掃除していいんですか?」

「いや、作品だから触っちゃダメです」

「でも床が水浸しです」

「今度はゴミ箱も展示するらしい。誰か止めてくれ!」


 次々と便器やゴミ箱、靴下、さらには使いかけの歯ブラシまで展示され、奇抜さはあっという間に日常となった。


 観客も最初は驚いていたが、今では「またゴミか……」とため息を漏らした。

 気づけば、かつての衝撃も価値も薄れ、便器はただの便器として棚に並ぶだけとなった。


 アートの革命はブラックユーモアとともに、日常の掃除問題に敗れたのだった。





2026/05/03

中之島美術館で「驚異の部屋の私たち、消滅せよ。— 森村泰昌・ヤノベケンジ・やなぎみわ —」観て来た。


ヤノベケンジ氏の作品に、デュシャンの「泉」があった。


≪≦b3036312c0dc79e8bede24e05124bda4.JPG|C≧≫


ダダイズムって面白いと思ったけど、みんな真似できるアートやから個性が消えてしまうなーって思った。

でも、ヤノベケンジ氏の作品みたいに猫があったら、未だにその作品は人気あったかも。


だって猫って偉大やし。

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