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短篇集  作者: 猫田たい子
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第18話 モナリザとダダの逆襲

 二人の若い女性は絵画「モナリザ」にペンキをかけて、警察に連行された。

 懲役の可能性に怯える彼女たちを救ったのは、奇抜なダダイストのアーティストだった。


「芸術とは守られるべきものだ。だが……守り方には遊び心というスパイスも必要だ」

 裁判所で熱弁を振るったお陰で、二人は奇跡的に不起訴になった。


 自由になった瞬間、彼女たちは嬉しさに満ちて笑った。

 街角の展覧会で次の標的が目に入った。

 それはダダイスト自身が展示した作品――奇妙で挑発的だが、彼にとっては神聖な創造物だった。


「次はこれだ! また誰かが助けてくれる!」

 二人は正義感に満ちた笑顔で作品にペンキをぶちまけた。


「私の作品を汚すとは!」

 ダダイストは顔を真っ赤にして激怒した。


「えっ……これだって地球のための行動なんです!」

 二人は助けてくれたダダイストが怒る理由が分からなかった。


 裁判所では救世主だった彼も、今や怒りの中心に立っていた。

 皮肉な運命。助けた相手に裏切られ、ダダイズムの連鎖は予想外の方向へ弾けた。


 自由と芸術、抗議と裏切り――全てが一瞬にして混ざり合った。





2026/04/20

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