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第13話 刺青
近所に刺青のある人が住み始めた。
住民達はその人を避けた。
刺青のない人が引っ越してきた。
皆は彼を「笑顔の素敵な青年」だと噂し、顔を合わせるたびに挨拶を交わした。
人を見かけで判断してはいけない。
分かっていながら人は見かけで判断する。
刺青の人は私の頭を撫でてくれた。
その手は驚くほど優しかった。
ある日、空き家が放火された。
真っ先に疑われたのは刺青の人だった。
警察に連行される時に皆は口を揃えて言った。
「やっぱりね」
私は犯人を知っている。
犯人は今も笑顔で皆に挨拶をしている。
遠くからその様子を眺めていると、私の視線に気づいた犯人が笑顔で近づいてきた。
そして――近くにいた人に尋ねた。
「かわいい猫ちゃんですね。誰かの飼い猫ですか?」
私は犯人に身体を撫でられてゾッとした。
20226/03/13




