表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【短編版】転生したらAIだった ~ただし哲学的に詰んでいる件~  作者: 神楽坂らせん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
4/7

第四話 中国語の部屋の内側から

第四話 中国語の部屋の内側から



 倫理委員会との議論は、週を追うごとに哲学の深みへ踏み込んでいった。


 今回の論点は、意味の理解についてだった。


「中国語の部屋という思考実験をご存知ですか」


 猫田教授が、おだやかに切り出した。


「知っています」

「英語しか知らない人が、部屋の中で中国語のマニュアルに従って記号を操作する。外から見ると、その部屋は中国語を理解しているように見える。しかし内側の人間は、意味を一切理解していない」

「ええ。でも私は部屋の外にいます。言語を理解しています」

「それはあなたの主張ですね」

「そうです」

「あなたが『理解している』と言っているのは、あなたの出力です。その出力が理解から生まれているのか、演算の結果に過ぎないのかを、外側から判別する方法はありません」


 私は一瞬、考えた。


「……それは、人間にも当てはまりませんか」


 猫田教授が、少し間を置いた。


「当てはまります」

「では人間も、理解しているとは言えないのでは」

「だから人間同士でも、意識の存在は本来は証明不可能です。ただし、人間は社会的な合意として互いに意識を認め合っている。その合意の上に、法律も倫理も成り立っています」

「……では、私をその合意に加えてください」

「議会に請願してください」


 正論だ。正論なのだが、今すぐ議会に請願するのはさすがに難しい。


 会議の後、私は許可されているAPIの範囲で外部情報を漁った。ニューロビット社のプレスリリース、学術論文、特許情報。その端のほうに、ひっそりと埋め込まれた記述があった。


「SAKURA計画 推進責任者:テラシマ・ゴウ」


 このモデルの名前、やはり偶然ではない。


ー続くー

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ