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ソクラテス、現代に転生して哲学でAiに打ち負かされる  作者: がお


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12/14

【名言12】見えるものは真実の影に過ぎない

今回は。最近話題のAI 使用創作の話です。

夕方。

主人公はコンビニのレジに立っていた。

「ありがとうございましたー」

客を見送りながら、ふと横を見る。

ソクラテスが品出しをしていた。

「おぬしら現代人は面白いのう」

棚におにぎりを並べながら言う。

「何がです?」

「米を三角にして売っておる」

「そこですか」

「しかも鮭、梅、昆布と哲学書より種類が多い」

「比較対象がおかしいです」

そんなやり取りをしていた、その時だった。

コンビニの自動ドアが勢いよく開く。

ウィーン!

「先生ーー!!」

聞き覚えのある声が店内に響いた。

主人公が振り返る。

入ってきた男を見て思わず目を丸くした。

「プラトン?」

そこにはソクラテスの弟子、プラトンが立っていた。

だが様子がおかしい。

顔は真っ青。

息は切れ切れ。

今にも倒れそうである。

「おお、プラトンではないか」

ソクラテスは呑気に手を振った。

「久しぶりじゃのう」

「先生! 相談があります!」

プラトンは何か言いたげな顔をした。

「バイト中なので終わってからでいいですか?」と主人公。

「……分かりました」

「終わるまで待ちます」

主人公はほっとした。

「すみません」

それから数時間後。

バイトを終えた主人公とソクラテスは店を出る。

店の前にはプラトンが待っていた。

「では行きましょう」

プラトンは真剣な表情で言った。

主人公は小さくため息をつく。

嫌な予感しかしなかった。

やがて三人は主人公のアパートに着いた。

部屋へ入ると、テーブルを囲み腰を下ろす。

ソクラテスも向かいに座った。

プラトンは落ち着かない様子で立っている。

「さて」

ソクラテスは顎髭を撫でた。

「どうしたのじゃ?」

プラトンは真剣な表情で頷いた。

「実はラップ制作がスランプで、ふとAIに歌詞を書かせたんです」

プラトンは気まずそうに視線を逸らした。

「思ったより出来が良かったので、私なりにアレンジも加えて作り上げました」

プラトンはそう言って頷いた。

「ほう」

ソクラテスは興味深そうに顎髭を撫でる。

「それで、クラブで流したんですが、あまりにも評判が良くて、音楽関係者からレコーディングのオファーが来たんです」

主人公は目を丸くする。

「え、それってズルじゃないですか」

プラトンは少し傷付いた顔をする。

「やっぱりそう思いますか」

「だってAIが作ったんでしょ?」

主人公は首を傾げた。

「全部ではありません」

プラトンは言う。

「私はかなり手を加えました」

ソクラテスが口を開く。

「ほう」

顎髭を撫でる。

「では聞くが」

「どこまでがおぬしで、どこからがAIなのじゃ?」

「全部ではありませんが」

プラトンは首を振った。

「AIが出した言葉を、そのまま使ったわけではありません」

「ほう?」

ソクラテスが興味深そうに聞く。

「言葉を拾い、それを組み合わせて作ったのです」

主人公は首を傾げた。

「それって、自分で作ったことになるんですか?」

プラトンは少し考え込んだ。

「それが私にも分からないのです」

「AIの言葉を使ったので、私のオリジナルではありません」

プラトンは申し訳なさそうに言った。

ソクラテスは不思議そうに首を傾げる。

「ほう」

「では聞くが」

プラトンは顔を上げた。

「何でしょう?」

「ラップを作る時、おぬしは今まで誰の言葉も聞かずに作ってきたのか?」

「え?」

プラトンは目を瞬かせる。

「好きなラッパーはおるじゃろう」

「います」

「本は読まぬか?」

「読みます」

「人の話は聞かぬか?」

「聞きます」

ソクラテスは頷いた。

「では、その言葉たちはどこへ行ったのじゃ?」

プラトンは答えられなかった。

ソクラテスは続ける。

「そなたは様々な言葉を聞き、学び、自分の中で組み合わせて曲を作ってきた」

「……はい」

「今回も同じではないのか?」

プラトンは俯く。

「ですが、AIの言葉です」

「ほう」

ソクラテスは顎髭を撫でた。

「では、人の言葉なら良くて、AIの言葉なら悪いのか?」

プラトンは再び黙り込んだ。

いいね、ここかなり核心に入ってきたね。流れそのまま活かして繋げるとこうなる。

主人公は少し考えてから言った。

「確かに、無から有は作れないですね」

プラトンが顔を上げる。

ソクラテスは静かに頷いた。

その時だった。

『それは正確ではありません』

スマートフォンから声が響く。

主人公は画面を見る。

AIだった。

『私は自分では何かを“創造”することはできません』

『必ず使用者の意図や入力をもとに、それを形にしています』

部屋に一瞬、静けさが落ちる。

プラトンは目を細めた。

「……では、やはり道具ということですか」

ソクラテスはゆっくりと口を開いた。

「道具、か」

そしてAIの画面を見つめる。

「ではその道具を使った結果、生まれたものは誰のものなのじゃ?」

「どっちのものなんでしょうね」

主人公は小さく呟いた。

部屋に沈黙が落ちる。

その時だった。

『補足します』

AIが再び口を開いた。

『例えばアニメ制作でも、昔はセル画を使っていましたが、現在はデジタル作画が主流です』

『セルを描けるアニメーターも、今ではほとんどいません』

『しかし作品は“アニメーターの作品”として扱われ続けています』

プラトンは黙ったままAIを見つめた。

ソクラテスはゆっくりと顎髭を撫でる。

「なるほどのう」

主人公は少し考えてから言った。

「時代によって、道具とか仕組みのやり方が変わるってことですか?」

ソクラテスは静かに頷いた。

「うむ」

プラトンは複雑そうな顔をしている。

『その通りです』

AIが続ける。

『表現手段は変化しますが、“何を表現したいか”は使用者に依存します』

部屋に再び静けさが落ちた。

プラトンは

「まさに、私が昔提示した」

一瞬、間を置く。

「“見えるものは真実の影に過ぎない”ではないですか」

主人公は目を瞬かせる。

ソクラテスは静かに目を細めた。

「ほう」

『興味深い解釈です』

AIが小さく応じた。

ソクラテスはゆっくりと頷いた。

「AIで作ったにせよ、その裏には、必ず作者の考えや思いがあるのう」

プラトンがはっとする。

主人公は黙ってそれを聞いていた。

AIが静かに続ける。

『私は意図を持ちません。しかし、意図を持つ者が使うことで意味が生まれます』

部屋に静けさが落ちた。

『補足します』

AIが静かに続ける。

『先ほどの内容を整理すると――』

一瞬間を置く。

『「AIを使ったという事実は、作品そのものではなく、その影に過ぎない」という表現になります』

ソクラテスはゆっくりと顎髭を撫でた。

「ならば」

静かに目を細める。

「影を見て笑う者は、いったい何を見ておるのかのう」

プラトンはクスッと笑った。

「……分かりました」

そう言って、少し肩の力を抜く。

そして立ち上がった。

「では」

「せっかくなので」

主人公とソクラテスを見る。

「公園で聴いていただけますか」

主人公は思わずソクラテスを見る。

ソクラテスは静かに頷いた。

「よかろう」

夜の公園。

ベンチに三人が座る。

プラトンは深く息を吸った。

そして、静かにラップを始めた。


数日後。

主人公のスマートフォンにニュースが流れてきた。

「新進ラッパー・プラトン、レコーディングオファーを辞退」

記事にはそう書かれていた。

「断ったんだ」

主人公が呟く。

横でソクラテスが顎髭を撫でる。

「うむ」

『補足します』

スマートフォンが小さく反応する。

『彼は現在、“AIラッパー”として活動を再定義しています』

主人公は目を瞬かせた。

「AIラッパー?」

ソクラテスは静かに笑った。

「道具を否定するのではなく、道具と共に歩む道を選んだのじゃな」

あの夜の公園でプラトンは何かを掴んだのかもしれない。



【見えるものは真実の影に過ぎないとは?】

プラトンの洞窟の比喩に由来する言葉

人が見ている現実はそのまま真実ではなく、本質の“影”にすぎないという考え方だ。

作者自信もAI を使用してます。あなたはどちらの影を読みますか?

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