otto 新たな事件
「ローズさんは何度もマダミスに参加されてるんですね」
「そうですよ。でもこんな風にカードを探すタイプは初めてです」
大ホールでは、ローズさんと3人のメイドさんが楽しそうに話している。
私は1人だ。別にリアンさんと一緒に行動しても良いことがないので、仕方ない。
「あっセアラ様どうでしたか? 何か見つかりましたか?」
リリさんが私を見つけ、声をかけてきた。
「2階には何もありませんでした」
「そうですか。私達はずっと一緒に1階を探したのですが、ヒントのカードは1枚も見つかりませんでした」
リリさんが四人で調べたことを、教えてくれた。
どうやら4人はずっと一緒に行動していたらしい。うらやましくなんてないからね、私だけ1人だなんて思ってないから。
「そういえばリアンさんがいませんね。もう14時ですから、話し合いの時間ですが・・・・・・」
カミルイさんが私達のいるところへやってきた。
「カミルイさんは、さっきの話し合いが終わってから、リアンさんのことを見ましたか?」
「いえ見ていないです。リアンさんが2階へ行ってから、私はずっとこの大ホールでいましたよ。そこで2階がどうなっているかは分からないです」
淡々と答えるカミルイさん。
カミルイさんはGMであり、このゲームのまとめ役だ。そこでこのゲームが終わるまでは、あまり移動しないようにしているみたい。
となるとカミルイさんが大ホールでずっといて、メイドさん達とローズさんは一緒に1階でいた。
あれっおかしいな。私だけリアンさんと関わりがあるみたい。
「私はずっと2階では1人でいました。だから私もリアンさんがどうしているかは知りません」
「では一度2階へ行きましょう。何かあったかもしれません」
カミルイさんは私達をゆっくり見た後で、落ち着いた口調でこういった。
まあ何も起きているわけじゃないし、カミルイさんの言うとおり何が起きているか様子を見てみよう。
「そうですね。リアンさんはマダミスが好きですから、ルールを破るとは思えません。そこで何かしらのことが起きたのかもしれません」
ローズさんは賛成した。
何かしらのことが起きる可能性は今少ない。そこで別に何も気にしなくて良いかもしれない。
「まあお迎えに行くつもりで、確認しましょう。もしかしたら迷子になっているかもしれません、リアンさんは」
と和やかな声で話す、ミーナさん。
こちらは恐らく深く考えたわけじゃないだろう。でもミーナさんのように考えるのが、今は無難だ。
「それじゃあ早く探しましょう」
リズさんがせかしてくる。よっぽどリアンさんが今いないって状況に対して、不安があるのかもしれない。
「では行きますよ。全員で行きましょう」
カミルイさんがさっさと決めてしまった、別に反対したいわけじゃないので、おとなしくついていくローズさんと私、それからメイド3人娘。
カミルイさんはずっと大ホールにいて、メイド3人とローズさんはずっと一緒に1階でいた。
となると私だけが2階でリアンさんと会っている可能性が高いって事になる。
「そういえばこの館、3階とかないですよね」
「3階はありませんよ」
「地下1階もないですよね」
「それもないです」
「そこで1階にいなければ2階なんですね」
「そうです」
カミルイさんは嘘を言っているようには感じない。そこで1階か2階のどちらかにいるってことだろう、リアンさんは。
「1階にもリアンさんはいませんよ。カードを探す際にあちこち見ましたが、いませんでした。そこでリアンさんは今も2階でいるはずです」
ローズさんが落ち着いた声で、淡々と語る。
この様子だとローズさん達4人は、かなり丁寧に1階を探したらしい。その結果、リアンさんとは会わなかったのだろう。
「さっきリアンさんはへアトンさんの部屋を探していましたから、今回は違う部屋かもしれません」
ミーナさんがそう提案した。確かにさっきとは違う部屋の可能性は高い。
「そうですね。私はあちこち探しただけで合わなかったので、今回私があまり探していない部屋が怪しいかもしれません。例えば私の部屋か、さっき私が探していた3人の部屋です」
「だとしますとそれらの部屋から探しましょう」
どうやら私の話をカミルイさんは信じてくれたらしい。そこで2階についてすぐ、私が使っていた部屋へと行く。
「いませんね」
「お風呂場とかもいません」
カミルイさんがベッドルーム、ローズさんが風呂場などの奥の部屋を確認している。もちろんリアンさんはいない。
「隣の部屋へ行きましょう」
ミーナさんがいち早く、隣の部屋へと向かう。
そこは3人の娘が働いている部屋で、ローズさんが奥の部屋、それ以外の人で手前にあるベッドルームを調べる。
「いませんね」
「本当です」
カミルイさんは不思議そうで、ローズさんも納得してなさそう。
リアンさんの不在。これはゲームなんかじゃない、人がいなくなっているという、現実にある事件なのだ。
「ヘアトンさんの部屋へ行きましょう」
ミーナさんに促されて、私達は部屋から出る。
そして最後となる、ヘアトンさんの部屋へと入った。
「ここにもいないですしね、リアンさーん、どこにいるんですか?」
ついにカミルイさんがリアンさんの名前を呼ぶ。どうやらカミルイさん、リアンさんがあまりにいなくて焦ってるらしい。
「なんかシャワーの音が聞こえます」
ミーナさんの言うとおり、奥からシャワーの音が聞こえる。
「きゃー」
悲鳴が聞こえた、これはローズさんの声だ。
どうやらローズさん、今までと同じく奥のお風呂場とかある場所へ行ったみたいだ。
「大丈夫ですか?」
カミルイさんを銭湯にして、私最後で奥の部屋へと向かう。
そこのバスルームで、たくさんの血を流してリアンさんが死んでいた。




