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『瑠璃島館殺人事件』  作者: 西埜水彩
『瑠璃島館殺人事件』
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6/10

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「13時20分から大ホールで話し合いです。だから行きましょう」


 私を呼びに来たのは、リリさんだった。


 私が使っている部屋を調べたのがリリさんだったから、これは当然かもしれない。


「そうですね。行きましょう」


 今は13時15分。もうこれ以上探していても何か見つかる訳ではなさそうなので、ちょうどいい。


「セアラ様、私達の部屋から何か出ましたか?」


「たいした物はなかったし、殺人とは無関係の物だったよ」


 流石に手紙と胃薬は、殺人とは無関係でしょう。むしろ何のためにあるのか、分からない。


「そうですか。他の2人が何を見つけたのか分からなかったので、知ることができてよかったです。あっ大ホールですね」


 リリさんは私の部屋で見つけた物を話さずに、大ホールへ入っていく。


 すでに私とリリさん以外の人は集まっていて、私達はあいている席へと座った。


「それでは第1回の話し合いを始めます。今は13時20分ですから、40分まで話して大丈夫です」


 私達が座ったのを確認して、一度目の話し合いが始まる。


「すみません、いいですか? リアンさんの部屋にこぶりなナイフが見つかりました。このナイフは予備のナイフで、凶器とは別に用意されましたか?」


 リズさんが真っ先に質問した。


 カミルイさんの言葉が終わってすぐの質問、これはリズさんにかなりのやる気があるってことだ。


「そのナイフは仕事のために持っていて、殺人とは関係ありません。第一凶器のナイフはヘアトン様に刺さったままですから、ナイフを持っていない他の人も刺せますよ」


 リアンさんは淡々と答える。どうやら自分が疑われたくないみたい。


「ローズさんの部屋から睡眠薬が出てきたのですが、薬で眠らせたのではないでしょうか?」


「それなぜか大ホールのごみ箱にも睡眠薬の袋がありました。誰か別に睡眠薬を持っていた人がいるか、私の部屋から盗んだ人がいるのではないですか?」


 ミーナさんの発言に対して、ローズさんが静かに反論する。


 とはいえこれで疑いはナイフが出てきたリアンさんから、ローズさんにうつってしまった。


「すみません。睡眠薬でへアトンさんを眠らせてから、ナイフで刺したって事ですか?」


 私は話をまとめる。2つの話が出てきて、頭の中がごちゃごちゃになりそうだから。


「そうですよ。そうか使用人の部屋には鍵がかかっていないから、ローズさんの部屋から盗んだ薬をヘアトンさんに飲ませて、カモフラージュとして色々な人が使うゴミ箱に捨てたって事ですね」


 リアンさんが丁寧に話をまとめる。


 ということはローズさん以外の人が犯人なのかもしれない。いやいやローズさんが自分を犯人だと知らせないよう、別の人が薬を使ったようにカモフラージュした可能性はある。


「少なくともメイドの3人はあんまり関係ないです。この『瑠璃島館へのお誘いのお手紙』か胃薬しかありませんでしたし」


 これらの話を聞いて、ますます分かった。


 私が調べた部屋は、事件とは全く関係ない。


「大ホールには空の瓶がありました。これも関係ないかもしれません」


「リアンさんの部屋には紅茶のパックもありました」


 ローズさんやリズさんが他の証拠について語る。


 確かに空の瓶や紅茶のパックは、殺人にはあんまり関係ないよね。


「そりゃそうだよ。特に紅茶のパックなんて、単なる私物だから。自分で飲むように持ってるんです」


 リアンさんが弁解を口にする。とはいえ今のところナイフで刺されて殺されたということしか分からないから、睡眠薬や紅茶は無関係のようだ。


「ローズさんの部屋からは栄養ドリンクも出てきました。これは栄養ドリンクと睡眠薬が必要なほど、疲れているって事ですか?」


 ミーナさんも他の人のように、関係がなさそうなことを言い出した。


「そうですね。仕事で疲れているうえに、これからどうすればいいか分からないストレスもあって、睡眠薬や栄養ドリンクが必要なのです」


 栄養ドリンクも今回の殺人事件には関係なさそうだ。


 確か亡くなったへアトンさんにはナイフが刺さったままだったから、凶器はそれで決まり。睡眠薬は見つかったものの、それを亡くなった人が飲んだという証拠はない。


 他に出てきた物が、本当に事件で使われた物か分からない。


 あれっ、これ詰んだかも。答えが分からない。


「あのすみません。セアラ様の部屋のことです。へアトン様からセアラ様に対するお手紙がありました。あと毒薬もあったのです」


 今まで黙っていたリリが手を上げて、唐突にこう言い出した。


 私は前から持っていた、セアラのカードを見る。


 私はセアラがへアトンさんを殺していないのを知っている。そこでこの手紙にも何か理由があるはず。


「そうですね。手紙は色々な人からもらっていて、その中の1つです。私は今新しい婚約者を探し中です。そこでありがたいことに色々な人からお手紙をいただいて、へアトンさんもその中の1人です。そして毒薬は自決用です、いざというときのための」


 ふーなんとか事実をうまく説明できた。


 そう私ことセアラは本当に犯人ではないので、持っていた荷物も無関係なのだ。


「私達はセアラ様の荷物についてよく知りません。セアラ様は自分で荷造りされましたから。さらにセアラ様は瑠璃島館へついてから、リズさんが来るまで1人でしたよね。この間にへアトンさんを殺したのではないでしょうか?」


 あれっおかしいな、なぜか私が今疑われている。しかもメイドさんの1人である、リリさんによってだ。


「確かに私やリアンさんは仕事があって忙しくて、殺人をする暇はなさそうです。それに私はセアラ様達を案内してから、2階へは行ってませんので、可能性はあります」


 ローズさんは私が犯人であるかのように話す。


 とはいえ絶対に私、セアラが犯人じゃないんだよな。


「えっと私とリリさんがほとんど一緒にいて、リズさんもほぼ私達かセアラ様と一緒にいました。ローズさんとリアンさんは仕事をしていたんですよね? そうなると暇で、アリバイのないセアラ様が怪しいです」


 ミーナさんが話をまとめるけど、そうじゃない。


 私じゃなかったセアラは犯人じゃないんだって、本当に。


「へアトンさんを殺した犯人は、私ではありません」


 そう言ってみるけど、誰も信じてくれなさそう。


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