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『瑠璃島館殺人事件』  作者: 西埜水彩
『瑠璃島館殺人事件』
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5/10

cinque ヒント探し1

「昼食後、片付けは私カミルイが行います。そこで皆さんにはヒントとなるカードを探しに行ってほしいです」


 食事もほとんど終わり、自己紹介も終わってから、カミルイさんは告げた。


 とうとう本格的にマダミスが始まる。果たしてどんなヒントがあって、そこからどういう風な答えになるのだろうか? 頭がふわふわする、楽しみだな。


「調べることができるのはセアラの部屋、ミーナ、リズ、リリの部屋、ヘアトンの部屋、ローズの部屋、リアンの部屋、大ホールの6部屋です。自分が使っている部屋以外を1つだけ調べてほしいのですが、どうしますか?」


 今自分が使っている部屋は調べたら駄目で、それ以外の部屋らしい。


 それならどこがいいかな? ていうかどこの部屋を調べたら良いのか、分からない。


「私はヘアトンの部屋を調べたいです。やっぱり人が死んだ部屋にヒントが多いですよ」


「そうだったら、私は大ホールが良いです」


 リアンさん、ローズさんの2人はあっさりと探す場所を決める。


 これで残るは、私とメイド達だけだ。


「私は3人の部屋を調べます。疑っていませんが、念のためです」


 自分の部屋は自分で調べられない。ということは3人が自室にしている部屋を調べた方がいいでしょ。


 今残っているのが、私の部屋と3人の部屋、それからローズさんとリアンさんの部屋。これじゃあ自室を調べることができないので、3人は自分の部屋以外になる。それなのに4カ所しか調べることができないから、私しか調べる人はいないしね。


「私はセアラ様の部屋にします。私が3人の中で、一番セアラ様から距離がありますから」


 3人の中で、リリさんが真っ先に答える。


「私はローズさんの部屋にします」


「私はリアンさんの部屋ですね」


 ミーナさんとリズさんも決めて、スムーズにみんながどこの部屋を調べるのかが決まった。


「では少ししたら行きましょう。そう今のうちに自室に置いた貴重品や私物は回収してください。自室に色々な人が来ますから」


 貴重品は今も持っているし、そもそもたいした物を私は持っていない。


 この閉鎖的な島で、必要な物なんて特にあるわけではないのだ。


 そこで貴重品を取りに行った他の人を待ちながら、本棚にある本を見つめる。


「本当にこの本、どんなんだろう?」


 昼食前に見た『奈良レインボーフェスタ、奈良レインボーパレードボランティア日記』を手に取った。


 見た目はノートのようで、中には何かが書いてある。


 ただし私は島の外へ行ったことがないのもあって、意味が全く分からない。かろうじて読めるけど、地名すらあんまりピンとこない。


 とまあ理解できないので、そのままノートを本棚にしまう。


「では皆さん探してください」


 全員集まったらしく、カミルイさんが指示を出す。


 私が探すのは、ミーナさん達メイドさんが使っている部屋だ。そこで階段近くにある私の使っていた部屋を通り過ぎて、その隣にある3人の部屋へと向かう。


 流石3人の部屋と言うべきか、ベッドが3つある。部屋の大きさは私が使っている部屋と変わらないから、ベッドのせいでやや狭い。


 そしてクローゼットはあった。


「この中にあるのかな・・・・・・」


 さっき私が使っていた部屋で探していたとき、カードはなかった。


 そこで探すことができなかったクローゼットの中にカードはありそうだ。


 でもこのクローゼット、鍵がかかってるんだよな。どこに鍵があるんだろう。


「そうだ」


 私はベッドの下を見る。学園では大事な物をベッドの下に隠すことが流行っている。例えばこっそり入手した外国関係のものなんか、みんなベッドの下に隠している。


 となればここでもベッドの下に、鍵があるかもしれない。


 ベッドは3つあるから、一体どれだろう? 入口から奥にかけて3つある、ベッドの下をのぞいていった。


 1つ目のベッドには何もなくて、2つ目のベッドの下には箱がある。箱をとって中を開けてみると、そこに鍵があった。


 やった、これでクローゼットの鍵を開けられる。


 私はクローゼットの前へ行き、鍵穴を探す。あっ取っ手の近くに鍵穴発見。


 鍵穴に鍵を入れて、回す。少しひっかかりはしたものの、鍵はスムーズに回った。これで鍵が開いたかな?


「あっ開いた開いた」


 クローゼットを開けると、中にはほとんど何も入っていない。


 でも今探しているのはカードなんだし、かさばるものじゃない。調べるなら下の方でしょ、そこにカードが落ちている可能性が高い。


 あっ封筒が落ちている。


 緊張のためか震えそうになる手で、封筒を取った。封筒の数は6枚ある、紫、水色、ピンク、白、赤、黄色と封筒はカラフルだ。


 この封筒の中にカードが入っているはずだ。深呼吸をして、封筒を1つずつ開けていく。


 紫の封筒何もなし、水色の封筒もそう。


「えっとこれは『瑠璃島館へのお誘いのお手紙』か」


 ピンク色の封筒に入っていたのは『ぜひ瑠璃島館へ来てください』と書かれたカードだった。カードに書かれた説明文によると、これはセアラの家に届いたお手紙らしい。


 すなわちセアラはこの館には、誘われてきたって事になる。


「あっこっちにも入ってる。えっと『胃薬(毒味用)』だって」


 白色の封筒の中にも、カードが入っていた。


 毒味する人のために、胃薬って事だろうか? 毒味をするとすればリリさんだろうか?


 3人の中で立場が一番弱いから、そういうのありえそう。


 赤色の封筒と黄色の封筒は空っぽだった。えっとたいした情報はない。これらの情報だけで犯人が分かるわけがない。


 なんせセアラ達が瑠璃島館へ招待されたこと、そして毒味役用の胃薬があること。それのどこが事件に関係ある?


 もしかして3人は事件とは全く関係がなくて、それでヒントのカードもお粗末なのかもしれない。


 そのほかクローゼットの中には何もない。ヒントとなるカードも、そうじゃないものもない。


 3人の部屋の中には、3人の私物すらなくてがらんとしている。当然のように他のカードもない。


 お風呂場やトイレも探すべきかな? 時間もあるし、探すことにした。


 とはいってもお風呂場やトイレも、私の部屋と同じくヒントとなるカードがなかった。トイレの収納も探してみたけど、何もない。


 手詰まりだ、このままじゃあ謎解きができない。


 犯人の手がかりとなるカードはないし、あるのは何に役立つのか分からない情報のカードだけだし。


 今私は詰んでるかもしれない。私だけでは何も分からない。


「セアラ様、調べるの終わりです。情報共有、大ホールでしますよ」


 誰かが声をかけてくれたので、3人の部屋を出る。


 さーて他の人はどんな情報を持っているのかな?


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