5.Cafe Time with you(6)
今日は少し遅くなりました。
すみません。
6.始動①
「さて、久遠君。帰国の話は……聞いておりませんが」
(健太郎君の帰国は、私も聞いていない)
石川さんが声をかけてきた。健太郎君が日本に帰ってくる話が、通っていない?
「え!そうなんですか?巌さんから電話がかかってきたんですけど……」
(巌さんの名前が出てきたけど、健太郎君とのつながりは?)
私は二人の会話をポカンと口を開けてただ聞く。
「あ~。巌さんですね。なるほど。もしかして、樹さんからも連絡ありました?」
「はい。メールが届いたんですよ」
石川さんは少し考え、何か思い当たることがあったのか是の返事をした。
「久遠君は……こちらで手伝ってもらいましょう」
そう言ってデスクへとぞろぞろと向かう。
そして、到着したのは……、石川さんの隣、私と反対側にある“魔の巣窟”だった。
「カレンさん……。このデスクは、機能するのでしょうか?」
書類の山が3つあり、石川さんの手つかずの仕事達だ。
「あ……。機能は、端に寄せたら何とかノートPCくらいは置けるんじゃないかな」
目を泳がせているカレンさんは、歯切れの悪い言い方をした後、「それじゃ!」と言って去って行った。
電話が終わった石川さんは総務へ行くようにと健太郎君に伝える。
「山本さんは少し片づけの手伝いをお願いしても?」
「はい。この書類はどうしましょう?」
「A、B、Cと書いていますから。順番に端に寄せてください。ふふふ……。彼に、全部してもらいましょう」
そう言って眼鏡を押し上げる顔は、……見なかったことにしようと心に決めた。
箱を抱えて戻ってきた健太郎君は、山が消えていないので苦笑いをしていた。
「それでは、3人で少し打ち合わせしましょう。まず、山本さんはフォルダを作りましたのでそちらを読んでもらいます。久遠君は、まずこの山を無くしてもらいます。グルチャで指示をこれから出すことが増えます」
すると、ポップアップでグルチャの招待が表示された。
「山本さん、樹さんと哲平のチームに入ったと聞いてます。この会社でサポートすることになっていますから、これからはあなたが指示をしていく側です」
「指示、ですか?」
「はい。技術的なものは相談してください。久遠君も手伝ってくれますね」
「勿論です」
「チームの新しいグルチャを開いてください。こちらも招待しています」
スマホを開くといくつかの表示が連なっていた。
「たくさん、ですね」
「そうですね。時間が足りませんからね。では、2人とも、タブレットを渡します。それを持ってカンファレンスルームに行きましょう」
石川さんは時計を見ながら次の行動へ移す。
展開が早すぎて、目が回りそう。
でも、本当の忙しさと混乱は、扉を開けた時に始まった。
今日も読んでくれてありがとうございます。
明日も投稿予定です。




