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飲めるあたたかさになるまで ――あなたの隣に、いてもいいですか。ずっと――  作者: 蒼宙 つむぎ


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4.Cafe Latte(39)

今日も読んでくれてありがとうございます♪

39.距離


 翌日、お弁当の用意をして出勤した。

 神崎さんと枠組みを考えたものをじっくりと一人で考えたいと思ったのだ。

(今日は、哲平さんとランチは、……気まずいしね)

 久しぶりに電車に乗り込む。後で顔を見て謝ろうと流れる景色を見ながら思った。


 少し余裕を見て、早めの出勤。フロアには何人かの人がもうすでに仕事をしている。

 私は引き出しからマグカップを取り出し、カフェテリアへ向かう。何人かがこちらをちらっと見たようだが、気にならなかった。

(やりたいことがたくさんあると、気にならないものね)

 会釈だけはして、コーヒーマシンのボタンを押す。


 コポコポコポ……


 美味しそうな香りが鼻腔をくすぐる。

 キャラメルソースをかけようかと思ったが、思いなおし自席に戻る。

(自宅から持ってきたチーズを食べよ)

 美味しいもののことを考え、笑みがこぼれる。

 手に取った1ピース。ぺりぺりとアルミ包装をはがし、パクリと口にすると柑橘系の香りが口の中に広がる。

 頬に手を当て、愉悦に浸る。

 そして、今しがた入れてきた飲み物を一口。

「熱っ……」

 猫舌にはまだ早かったようだ。

「ふふふ」

 舌を少し火傷し、笑いがこぼれた。

(急ぎ過ぎね)

 そんなことを思いながら、残りのチーズを口に放り込んだ。



 午前中は石川さんから新しく指示してもらったものをこなしていき、時間はあっという間に過ぎた。

(お昼ご飯、哲平さんに断りの連絡入れたほうが、いいよね)

 昨日のことも謝罪したいと思っていたので突撃で尋ねることにした。


 コンコン

「失礼します」

 ちょっと強引に部屋に入る。

「哲平さん。お昼なのですが、今日は考えたいことがあるので一人で食べますね」

「あ、瑞葵。……そうか。……わかった」

 声にはりがない。顔色もあまりよくないように見える。

「あの、昨日は、……すみませんでした」

「あ、ああ」

 こっちを見ようとしない。疲れている、のだろうか。

(変にあれこれ言わない方が、いいのかな……)

「あの……。また、来ます」

 それだけ言って、すぐにドアノブに手をかける。


 扉をゆっくりと閉じるとき、彼と視線が合った。

 何かを言おうとした顔に、見えたが――。


 パタン……


 言葉は、扉の向こうに置き去りにされた。


明日も1話投稿予定です。

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