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飲めるあたたかさになるまで ――あなたの隣に、いてもいいですか。ずっと――  作者: 蒼宙 つむぎ


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5.Cafe Time with you(21)

21.結束が生んだ奇跡


 翌日、兄と出勤し、少し大きめの会議室へと向かった。

 クラフトチームと戦闘チームのメンバーが一堂に集い、情報共有をしながら効率よく作業を進めるのだ。


「瑞葵、メンバーの采配は透にさせる」

「はい。よろしくお願いします、神崎さん」

「うん。樹さんはどうしますか?」

「理央のところに行ってくる。朔は順調らしいから、後日合流で。哲平を呼んでくるわ」

 そう言って兄が退室して行く。

(大丈夫……なのかな)

 会議室には、森本さん達が緊張した面持ちで座っていた。



「みんな、お待たせ!」

 底抜けに明るい声の兄が入ってきた。

 哲平さんと共に――。


 部屋の空気が、ピシりと張り詰めた。

 森本さん達は、俯いてしまっている。


 誰も、言葉を、発しない。


(どうしよう。私が、声を出してみる?なんて、言おう?)

 口をハクハクとさせるが、気の利いた言葉は思いつかない。



「はあ……。哲平!いい加減子供みたいなことはやめろ」

 そう言って哲平さんの背中を少し強めに叩く。

 ビクッとした哲平さん。目の端が、赤く擦れている。


「みんな、昨日はすまなかった。いや、昨日だけじゃない。重い空気でやりにくかっただろう。悪かった」

 哲平さんは、深く頭を下げた。


 ガタガタっと森本さん達が立ち上がり、哲平さんに駆け寄る。


「社長!私たちがいけないんです。もっとしっかりしていればこんなことには……」

 そう言って、彼女たちが頭を下げた。

 森本さんは、「ごめんなさい」としゃくり上げながら何度も頭を下げた。


「さて、これでこの件は一旦終わろう。哲平、第1フェーズは透に任せよう。立て直しが先だ。第2フェーズから哲平が仕切ってくれ」

 兄が、この場を仕切った。

「わかった。透、悪い」

 そう言って頭をさらに下げようとする。

「哲平さん!俺に頭を下げないでくれ!チームだろ!」

 慌てる神崎さん。

 私は、眩しくなって目を細め、小さく微笑んだ。



 昔から兄たちが羨ましかった。

 楽しそうに笑いあうヴォルフシュバルツのメンバー。

 親友たちで結成された、伝説のチームのことが――。

 あの時の光景が、またここにある。



 その後の追い上げの日々は、記憶が半分ほどない。

 でも、当初の期限を2日ほどしか遅れなかったのは、奇跡だと思った。


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