第四話 選ばれし者たちへ
「教授! ご無事ですか!?」
ミズキの叫びは、名前を言い終える前に、周囲の騒音に飲み込まれた。
一年生の人数にしては多すぎる。もっと壮麗な用途のために作られたはずの広間に、三十人余りの学生がひしめき合い、互いに押し合い、見知らぬ誰かの袖を掴んでいる。その間には、間の悪いタイミングでキャンパスにいた十数人の大人たちも混じっていた。
背後のどこかで、教師が落ち着けと怒鳴っていたが、誰も従わなかった。
ミヨリは扉の近くで身を硬くしたまま立っていた。片手で自分の肘を握りしめている——それだけが体を支えているかのように。
ヒロウラは口を開けたまま、目だけが、体がすでに理解していることに追いつこうとしていた。
ヤガミは、蔦の彫刻が施された柱のそばに立っていた。彼の周りには、誰もいなかった。
数メートルの空白。誰もそう決めたわけではないのに、みんながその場所を空けていた。
彼の目は扉の上のステンドグラスへと漂っていた——純粋な光でできた何かと戦う竜が描かれている。
彼女が見える距離まで近づいた瞬間、その視線は逸れた——急ぐでもなく、落ちる星々を描いたフレスコ画へと移っていく。
表情には何も表れていなかった。平坦で、動じない——読み終えた本を、ただめくり返しているだけの男の顔だった。
それでも彼女はその距離を詰めた。
「驚いてないのね」
口の端がわずかに動いた。
「ずっと感じてた」
静かに、彼女にだけ聞こえるように言った。「信じてたと言ってもいい。俺たちの世界は、出来の悪い芝居でしかないって」ようやくちゃんと彼女を見た。「まあ、外れてたけどな。舞台が違った」
「知ってたの?」
声が裏返り、彼女はそれを、出席確認のときのような平坦な調子に無理やり引き戻した。「ここはどこ。あなた、本当に何が起きてるかわかってるの」
彼の笑みがゆっくりと広がり、その途中で、どこか冷たいものへと変わっていった。
ギギギ——
床が足元で震えた。広間の奥で、樫の扉が低く、ゆっくりと開き始める。隙間から、金色の光が溢れ出した。
最初に現れたのは二人。凍った銀のような色の鎧。無表情の面頬、その隙間の奥には、あの異様な光が同じように宿っている。二人は扉の脇に位置取ると、動きを止めた——机の上に置かれた刃のような静けさだった。
そして、女が現れた。
白と金の絹が、水のように階段を滑り降りてくる。背筋の伸び方には、王冠だけでは説明のつかない威厳があった。
崇拝されるために作られたような顔立ち。その目は、この場の結末をすでに知っているかのように、広間を見渡した。
「ようこそ、召喚されし者たちよ」
一語一語が、石を一つずつ置くように重みを持って響いた。「ここはエイラニス王国。汝らの到来は、この城壁よりも古い予言によって、すでに定められていたこと」
ミズキの息が、鎖骨のあたりで詰まった。召喚。エイラニス。長年、教科書と引用文献で鍛えられてきた頭が、何か確かなものを求めて手を伸ばし——何も掴めなかった。
心臓が喉元まで跳ね上がる。それでも一歩、前に出た。
「あなた——私たちの言葉が、わかるの?」
大きすぎる声だった。静寂が、それを大きくしていた。
女の口元が弧を描く。それがまさに予想通りの反応であることを、隠そうともしなかった。
背後のステンドグラスが輝きを増し、模様が表面の下を、まるで生きているかのように這い回る。同じ光の細い柱が床から立ち上り、誰も引いていないはずの線を、学生たちの周りに描き出していく。
ゾーニングだ、と自分に言い聞かせ、そう信じ込もうとした。
女の視線が、一人ひとりの顔を順に辿っていく。進むごとに鋭さを増し、やがてヤガミの上で止まった——必要以上に長く。
「こ、ここ——ここどこ!? 何なのこれ!?」
ミヨリの声が、生々しい悲鳴へと裂けていく。ヒロウラはすでにその上から怒鳴っていた。拳を白くなるほど握りしめて。
「こんなことが許されるか! 説明しろ、今すぐに!」
誰も誰の話も聞いていなかった。啜り泣く声。一人の少女が壁づたいに崩れ落ち、気を失った。隣にいた二人の学生は、呆然と見ているだけで、支えることすらできなかった。
ミズキは近くにいた二人の同級生を掴み、引き寄せた。
「みんな——落ち着いて」
か細い声だった。自分の耳にすら、聞き慣れないものに聞こえた。
「ようこそ、召喚されし者たちよ」
女の声はパニックの上を滑るように響いた——一瞬たりとも止まらずに。「エイラニスは汝らを選んだ。滅びゆく世界を救うために。それが今、汝らの目的である」
「選んだ!?」
ミヨリはすでに動いていた。ヒールが石を打つ音の残響が消える前に。「これは誘拐よ! こんな茶番、今すぐやめて!」
「余が選んだのではない」
女は冷ややかに、ほとんど退屈そうに言った。「運命が選んだのだ。ここで、汝らは真の目的を見出すだろう」
「我々を戻せ」
教師の声が、氷のように冷たくなっていた。「さもなくば、相応の報いを受けることになるぞ」
教員たちが学生の前に立ちはだかる。誰が指示したわけでもなく、体が勝手に動いていた。この場よりも古い本能だった。
女は、急ぐでもなく首を傾けた。
「その恐れは理解できる。だが、戻る道はない」
重みのある間。「汝らが来たあの現実は、もはや存在しない」
否定の声が、広間の中を波のように伝っていった。一つの声が、次の声を呼んだ。
「嘘だ!」
「帰らせて!」
後方で誰かが祈っていた。別の誰かが「これは現実じゃない」と繰り返し、声はだんだん小さくなって、やがて息にしか聞こえなくなった。
ミズキの目は、無意識にヤガミを探していた。
彼の両手は拳になっていた。自分でも気づかないうちに、関節が白くなるほど。彼は今、群衆を見つめていた——長年見慣れた顔が、恐怖と怒りに歪んでいる。
それから、彼は笑った。
「はっ」
たった一音。それだけで、近くにいた何人かがびくりと肩を震わせるほど、部屋を切り裂いた。
笑いはさらに大きくなり、やがて騒音を綺麗に切り裂いた。広間中の顔が、そちらを向いた。
「マジで戻りたいのか、お前ら?」
荒い声だった。端々がささくれ立っている。
柱から体を離し、前へ歩き出す。周りの人間が、慌てて道を空けた。
「なあ、あんた」
女の方をまともに見もせず、顎だけをしゃくった。「戻したきゃ戻してやれよ」ヤガミが言った。「俺は関係ない。俺は残る」
「ヤガミ、あんた何言って——」
その声を、そのまま踏み潰すように続けた。
「本気で戻りたい奴、正直に言えよ」
叫んでいるわけではなかった。それでもみんな、自分のパニックを押しのけてまで聞き取ろうと身を乗り出した——そうして身を乗り出すうちに、誰に頼まれるでもなく静かになっていった。
「戻って何をするんだ。生きるためだけに毎日すり減らして。誰にも気づかれないまま、自分の中に消えていく奴らばっかりのあの場所に」
扉の近くの衛兵が身じろぎし、金属が石を擦る音がした。誰かが小さく悲鳴を上げた。
ヤガミは目もくれなかった。
「その顔やめろよ」
群衆を見渡しながら言った。「お前らだって、俺が何の話をしてるかわかってるだろ」
また笑った——短く、中身のない笑いだった。
「『お前ならできる』『自分を信じろ』」
平坦に、嘲るように歌うように繰り返した。「はいはい」
「やめてよ」
誰かが低く言った。ミズキは、誰の声かを確かめようともしなかった。
彼の顎に力が入る。それでも、話を続けた。
「毎日、同じクソみたいな繰り返し。それがお前らが必死に這い戻ろうとしてるものだ」
彼の目が彼女の目と合う。口にはしない何か苦いものが、そこに宿っていた。
「それに比べてここは——」
両腕を広げ、広間全体を、衛兵たちを、そのすべてを示した。「——ここでなら、何かが本当に変わるかもしれない」
ミズキはうまく息ができなかった。これが何であれ、崩れかけた子供の様子ではなく、むしろ落ち着き払っていた——その落ち着きが、パニックよりもずっと彼女を怖がらせた。
「ヤガミ」
声が小さくなる。「あなた、一体どういう人間なの」
一瞬、誰も動かなかった。
それから、彼女自身の声がその沈黙を破った。思ったより鋭く、自分でも驚くほどの音量で。
「もういい加減にして!」
目が熱くなる。言葉が出てくる前に、顎が固く閉じた。
「あなたはただ逃げたいだけ! いいわ、人生は残酷かもしれない! でも、それは私たちの人生よ! 向こうには私たちを愛してくれる人がいる! 家族が!」
声が震えていた。行き場のない怒りで、か細く。
「なのにあなたは何? 自分だけが傷ついたみたいな顔をして。可哀想だとは思う、ヤガミ。でも、それはあなたが正しいってことにはならない」
彼はすぐには答えなかった。ただ彼女を見つめた。疲れた目の奥に何かが定まっていく——冷たく、そしてもう決着のついた何か。彼女に反論する価値があるかどうかの判断が、すでに終わっていた。
「まるで俺を知ってるみたいな口ぶりだな」
平坦に、ほとんど優しいとさえ言える声で言った。「お前は何も知らない」
「お前はいつも優等生だった。家族がいて、金もあった」
握った拳を、自分の胸に押し当てる。「希望を信じるのなんて、お前には簡単だっただろうよ」
「俺には何もなかった。どん底だけだ」
一拍、必要以上に長い間。「腹を空かせたまま眠ったことあるか、ミズキ? 誰にも要らないと思われる感覚、知ってるか?」
決めたわけでもないのに、一歩後ずさっていた。彼のことは一年のときから知っている。物静かで、集合写真では見落としてしまうような存在だった。
その顔の中に、あの少年を探した。何も見つからなかった。
「怖いか?」
声がさらに低くなる。「上等だ。まだ何か感じられるってことだ」
今度は誰も、その沈黙を埋めようとしなかった。扉のそばの衛兵たちでさえ、何かを待っているようだった。
ミズキは無理やり背筋を伸ばし、それでも一歩前に出た。顔は青ざめていたが、声は崩れなかった。
「あなた、生きたいって言ってたじゃない。学位を取って、仕事に就いて、何か築くって」
続く言葉に、喉が締まる。「全部、嘘だったの?」
彼は長い間、彼女を見つめた。学級委員の声の奥にある何かを見透かすように、目を細めて。
それから、歪んだ、疲れた笑みが浮かんだ。
「大学。学位。三十年後には名前も忘れられてる上司の下での仕事」
ほとんど気軽な調子で。「それが、やり直すチャンスに勝るとでも本気で思ってるのか?」
残りの数歩を詰めた。
「俺のことをどう思おうと勝手にしろ。興味ない」
その目にはもう、言い争う余地すら残っていなかった。「だが、一度も俺のために悼んでくれなかった世界のために、俺が悼むと思うなよ」
それが自分に何をしたのか、ミズキには言葉にできなかった。唇が震える。また一歩、後ずさった。
初めて、彼が誰だかまったくわからなくなった。
周りの群衆の中で、ささやきが広がっていく。
「今の聞いた?」
「あれヤガミじゃないでしょ——何があったの」
一人の教師が前に出た——眼鏡をかけ、上着に見覚えのない紋章をつけている——ヤガミと壇上の女の間に、自ら割って入った。
背後では、他の二人が低い声で、パニックの滲んだ早口で言い争っていた。あの異国の女に近づくべきか、それともこのままでいるべきか。
「やめなさい。君たちは学生だ。度を越している」
最後まで言わせてもらえなかった。
ヤガミが鋭く振り向く。指を立て、まっすぐに向けた。
「黙れ」
静かに言った。
その静かさは、どんな怒鳴り声よりも、この場に深く突き刺さった。
「あんたは向こうで俺を守れなかった——肝心なときには一度も。ずっとだ」
声は低いまま、閉じたドアのように平坦だった。「その上着のバッジが、ここで誰かを守れるとでも思ってるのか?」
「ヤガミ——我々は戻る。君も一緒に来なさい」
教師が言った。
「あんたの研究室はもうない。成績簿もない」
瞬きもせず、教師を見据えたまま言った。「シラバスの代わりに剣を持った何かがあの扉から入ってきたら——それを講義で止めるつもりか?」
教師は答えようと口を開いた。だが、ヤガミの視線を受けて、言おうとしていたことは形を保てなかった。
「あいつ、おかしくなった」
背後で誰かが呟いた。
「違う」
別の声が、静かに、それでも届く声で言った。「あいつはようやく、演技をやめただけだ」
扉の近くで、また衛兵が身じろぎした。金属が石を擦る音。一秒間、それだけがこの広間の唯一の音だった。
ミズキは彼の顔を見た。そこにはもう、笑みの欠片も残っていなかった。
ただ冷たいだけだった。そしてその冷たさの下には、何年もかけて積み上げられた何かがあり、それはもう、崩れて元に戻るつもりなどないように見えた。
言おうとしていた言葉は、歯の裏で行き場を失ったまま止まった。




