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倉持氏はラッキースケベでいつも金欠  作者: ものかろす
最終章 愛は無を有たらしめん 最初の鳴動
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you can be love

思いは、願いは、祈りは届いた、

音よりも光よりも速く 

時間も空間も超えて、永遠へ。

56億年、140億光年を超えて彼岸に沈む彼へと届いた


彼の魂と肉体は…彼のもっとも強い想いが残る場所へと還らんとしていた。




倉持の肉体は走り出した。

三奈は追いかけるが、倉持の動きに追いつくことができない。

三奈はとっさに、白銀と由紀に連絡をした。

今多くの人が倉持の魂を引き上げようと念じている。

その邪魔にならないようにという配慮であった。


由紀はその連絡を受け取った瞬間…

やれやれといったぐらいに溜息をついた。

由紀(やっぱそうくるか…まったく…めんどくさい奴らだぜ)


由紀は車のキーを手に取った。


由紀「ちょっと行ってくるわ」


紅葉「どこに行くの?」


由紀「ん?まあ、姫様には…馬車が必要だろって…ことさ」


光「…よろしくね。由紀」


由紀「ああ」


由紀はシェアハウスを後にした。

ーーーーーーーーーーーー

白銀は三奈の連絡を受け取る。

モニターの向こうに話が漏れないように、ジョディと青野を呼んだ。


白銀「倉持の肉体が走り出したみたいだ…香月先生たちの話だと…魂と肉体とが結びつかないと…戻ることができない可能性があるらしい…肉体がどこへ行くか…心辺りはないか…」


ジョディ「シェアハウスや桜の木…神社かしら…」

白銀「そこらならいいのだが…これは…私の勘なんだけど…そう…じゃない気がする…青野…何かないか?どこか心当たりはないか?」

青野「どうして私に…」

白銀「…そんな問答はいいから…何かないか? SNSでもメールでも倉持からお前に宛てられたものが何かないのか!?」

青野「そんな…も…」


青野はハッと気が付いた。

スマホを取り出した。


モニターの向こうでこのやりとりに気が付いていた者たちがいた。

霞、桜、灰田は…この事態に気が付いていた。


霞(良かった…見つかったのね。徹。悔しいけど…まあ、今回だけは譲ってあげる)

桜(倉持さん…行って…貴方が自分の意志で行きたい場所に!)

灰田(まったく…美味しいところ持っていく…まあ、それだけの事はやってたからな…ガンバレよ…青野)



青野は…メールを見た。


9月9日23時59分

一通のメールが届いていた。

メールには…写真が一枚添付されていた。


青野はそれを開く…


2人で星を見たあの日


倉持が撮った写真


2人きりの写真


いつかメールで送ると言っていた写真


青野のスマホに水滴が落ちる


倉持は「い」の口をしていた…


倉持の想い、倉持からの愛が青野の元に届けられていた


青野「…バカ。メールあまり見ないって言ったじゃないですか、それに通信障害とかトラブルがあったら…届かないじゃないですか…」


白銀とジョディは青野を見つめた。


白銀「行け青野…後は任せろ」


青野「…白銀さん」


ジョディはデスクに戻り、引き出しを開けケースを取り出すと、その中にあるネックレスを青野に差し出した。

それはかつて倉持が青野に贈ったネックレスであった。


青野「これ…」


ジョディ「なかなか探すの大変だったのよ…海に放り投げるから… それから…1㎝…短くしておいたわ…」


青野「…」


ジョディ「ねえ。トオルがなぜ1㎝短くじゃなくって長くしていたのか… 今ならわかるわよね」


青野は…コクリと頷いた。


青野はネックレスをつけた。

扉の前で向き直り…

白銀にジョディに

モニター越しに見守る人たち全員に深々と頭を下げた。


建物を出ると、そこには由紀がいた。

由紀は青野を車に招いた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


交わす言葉が積み重なって

君の像ができていく

些細な言葉も

どんな言葉も

大事な言葉


私の中にできた君

君の中にできた私


想いは積み重なって

溢れていく

好きとか愛とか分からなかった

人を愛せるとは思わなかった

人に愛されるとは思わなかった


君と出会って

君を知って

自分を知った


覚悟はできたよ

愛する覚悟も

愛される覚悟も


You can be love

愛したっていいんですよ?

愛おしい気持ちが溢れ出たなら


You can be love

好きに生きてもいいんですよ?

数々の苦難を乗り越えたから


I can be love

好きになっていいですよ

愛される覚悟ができたから


We can be love

愛は永遠に続くでしょう

美しい悲劇も

愛おしい喜劇も

私達を祝福いわうから


ーーーーーーーーーーーーーーー


青野は由紀にお礼を言って、車を降りた。

以前倉持と星を見た山を駆け昇る。


青野はしかし、ここにきてもなお不安があった。

自分は本当に愛されていたのか…

自分なんかが愛されてもいいのか…


でも、もしも…この先に倉持がいるのなら…

その想いに全力で応えよう…

そう想っていた…



うっそうとした木々を抜けたその先…

夕日が沈み…

星空が出現し始めていた…

湖には赤い光と青い光とが差し込んでいた。


青野の視線の先には…

1人の男性が立っていた…

ぼやけてよく見えなかった…

瞳をこすり…

もう一度その像を視る。


だが、何度こすっても

何度こすっても

視界はぼやけてはっきり視ることができなかった。


倉持「……青野…ハル…さん」




青野「…………はい」



倉持「…ハル」



青野「………はい」



倉持「…ただいま」


青野「…おかえりなさい」


青野は愛おしい声のする方に…全力で向かった。

倉持は愛おしい人の元へ全力で走った。


重なる瞬間2人はしっかりと抱きしめあった。


倉持「ハル…ハル! ハル!!」

青野「倉持…さん… く…くら も…ち…うあ…あうぐぅ…うぐううううう…ああああああああああああああああああああああああああああ」

倉持「ありがとう… ずっと… ずっと… ありがとう… 愛してる…愛してるッッ」

青野「わだし…も…うぐぅ…うううう… ううううううううう… あああああ…」


倉持は青野を包み込むように全力で抱きしめた。

やがて月は星々を引き連れて夜の世界を持ってくる。



これから…

進んで行く…

愛おしい人との…愛おしい時間が


永遠に続く 愛

どこまでも続く 愛

無限に続く 愛

挿入している詩は自作のものです。

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