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倉持氏はラッキースケベでいつも金欠  作者: ものかろす
最終章 愛は無を有たらしめん 最初の鳴動
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幸福なスケベ

倉持は還って来た。

シェアハウスで祝杯が挙げられていた。

そこには、シェアハウスの面々、会社の仲間、倉持家の実家からも集まっていた。

また、入りきれない人間は学園や倉持家本家に集まり、モニター越しではあるが、倉持を迎えた。



青野はシェアハウスの庭に出た。

外から倉持とその周りにいる人たちを見つめていた。

と、青野の視線の先から由紀がやってきた。

由紀は飲み物を片手に持ちながら、青野の隣に立った。


由紀「よお… よくやったな」

青野「ありがとうございました… 私一人の力じゃありませんよ…」

由紀「でも、仕組んだのもまとめたのも…お前だ…お前がいなきゃ…この結果にはならなかったよ」

青野「…どうも」

由紀「…素直だな」

青野「…別に…」

由紀「…」

青野「…」

由紀「よし…ここはいっちょシナリオライターらしく… 締めの言葉を結ぶとするかな」

青野「?」


ーーーーーーーーーーーーーーーーー

一方部屋の中では倉持に女性たちが迫っていた。


霞「ところで徹…約束は覚えているかしら? 30歳の誕生日を迎えたときに相手がいなければ…私を受け入れるって約束?」

倉持「あ…」

桜「私も…そういう約束した気がするわね… どうする?倉持さん?」

倉持「え…と」

白銀「私もだな…責任とってもらわないと」

倉持「…」

三奈「私はもう少し先だけど…今のところ、心変わりする感じないし…私も責任とってもらおうかな?」

ジョディ「そうね。トオル…約束は守って欲しいな」


倉持は次々と詰め寄られた。


倉持「えと…そのー」

ーーーーーーーーーーーーーーーー


由紀「恋の呪いも、死の呪いも、肉体からだけがれだって… 何も倉持に限ってのことじゃあない… 誰にでもあり得る苦しみさ… けどそれが神の祝福によって赦され… 人の思いによって救われる… そういったもんさ… そうやって人は報われる… そこにあるのが愛だ」


青野「…そう…ですね」


由紀と青野は手に持っているグラスの中を空にした。

青野はコクコクと頷いている。


由紀「さて、口上で終わるのは悲劇の常套手段… これは悲恋でも悲劇でもない… 

時に、青野さん…あそこで、無責任なモテ男が窮地に陥っているのが見えるか?

まあ自業自得だな。倉持の物語は…悲劇なんかじゃない…ラブコメだ。コメディにはコメディにふさわしいラストがある…どうする?ヒロインさん?」


青野は由紀にコップを預けると、室内へ歩いていった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


約束を引き合いに出されてたじろぐ倉持の横に青野が現れた。

倉持は青野に助けを求めた。

青野は皮肉たっぷりに倉持に言った。


青野「ラッキーですねぇ。こんなに愛されて。責任とらなきゃダメですよ?」

倉持「青野さん」

青野「それに、倉持さんが助かったのは皆の力ですし、正直私一人でこの人の変態は受け止めきれません。だから私が独り占めするなんて気はありません」


皆の視線が倉持と青野に集まる。


青野「ですが」


そういうと青野は倉持の手を引っ張り、下に置いていたサンダルに履き替えて庭に出た。


青野は倉持のほっぺを両手で挟み、かかとをあげて、倉持の唇に自分の唇を重ねた。


意図をひきながら唇同士が離れる。

青野はさっと口を拭くと、満面の笑みで、顔を赤らめながら見つめていた面々に堂々と告げた。


青野「そう簡単にシェアもできませんよ?」


青野「さ、倉持さん…」


青野はそう言うと倉持に手を差し出した。

倉持はその手を握った。


そして、2人は駆け出した。


まず動き出したのは白銀であった。


白銀「くそ! やるじゃないか青野め!」


次に続いたのは灰田とジョディであった。


灰田「しゃーない! 私も行くぞ」

ジョディ「姫にはお守がいるわよね」


霞、千秋、真冬、千夏も続く。


霞「そう簡単に諦められないわ…」

千秋「年季なら、私たちの方が入ってる!」

真冬「だな!ワンチャン狙うぞ」

千夏「お兄ちゃん!今こそ」


緑谷「ねえ…3Pとか…どう?」

筑紫「…私も、それアリだと思ってた」


香月「もしや私もなくはない?」

金剛「くそっ… 負けてられん。 黒田」

黒田「私だって」

赤井「しゃーない。私もいくかぁ」

桃井「くっ…せめてここでアピールを」

愛里「まけない!!!」

宇美「わ、私だって」


三奈「桜さん…どうします?」

桜「…どうしようかな…」

藤壺「桜…正直になりなよ。 ここで乗らなきゃ…公開するぜ」

桜「…そうね… 行こっか」

三奈「ええ」

店長「待てよ…私もイケなくはないよな」

紅葉「…」



ーーーーーーーーーーーーーー

倉持と青野は街を駆け抜ける。

道中ミモザとミライも追ってに加わった。

さらにモニター越しで見ていた、倉持家本家の面々も追手に加わる。


倉持と青野は河川敷を駆け抜ける。

フィジカルに長ける2人に、生身追いつけるものはいなかった。

ーーーーーーーーーーーーーー

シェアハウスには花と光、そして由紀が残っていた。

由紀に光が話しかける。


光「いいの?由紀…追わなくて?」

由紀「いいさ…私は血のつながった実の姉…そもそも攻略対象外さ」

光「…あの…そのことなんだけどね」

由紀「ん?」

光「実は…貴方は…私の子どもだけど…あの人との子どもじゃないの…」

由紀「は?」

光「私…あなたを身ごもっていたんだけど…交際していた人に捨てられて…それで、当方に暮れていたときに…あの人と結ばれたの…だから、貴方は私の子どもだけど…徹とは父親が違うのよ」

由紀「おいおいおいおい…え? マジ? そんな重大なこと…今言うの???」

光「ごめんなさい…タイミングが無くて」

由紀「おいおいおいおい…なんだ? それじゃあ…私にもチャンスはあるってことかぁ!!!」


由紀は車のキーを持つと、倉持たちが向かったであろう場所めがけてすっとばした。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

河川敷で追いかけっこが繰り広げられていた。




はじまりの機会はどこにでもあって

いつはじまるのかだれにも分からない


思い出遡りアレかなコレかなと探っていくうちに

できあがるあの人と私とのラブストーリー


ココロ満たす想いが

あふれ出して私とあの人結ぶラインとなる


ココロフルフル

ココロつながる


そうね私君が好き


天満たす水が

あふれ出して空と地結ぶレインとなる


雨がフルフル

雨がしたたる


そうねいつも君が好き


手と手つながる

愛が伝わる


そうねきっと君も好き




さしもの倉持と青野にも疲れが見え始めた。

距離に余裕はあるものの、このままではやがて追いつかれてしまいかねない。

そこに由紀の車がやってきて、停車した。


由紀「へい!倉持!いや徹ぅ! 朗報だ!私もどうやら攻略可能キャラみたいだぞ!」


倉持と青野は顔を見合わせた。


ぺいっと由紀を車から出すと、青野が運転席、倉持が助手席に乗り込んだ。

由紀があっけに取られていると、青野はウインドウを全開にして、由紀に向かって話しかけた。


青野「由紀さん。さっきのラストの口上…ありがとうございました…でも、1文字だけ訂正しますね」


青野「『エー』じゃなくて『ユゥー』です」


青野は思いっきり口をとがらせて「う」の口をみせつけた。

そして、そのまま車を発進させた。

由紀はあっけに取られていた。

 

由紀「『エー』じゃなくて『ユゥ―』… はっ!!」


由紀は後ろからやって来た面々に向かって指揮をとった。


由紀「おいお前ら! 辺り一片のラブホとアオカンスポット… 全閉鎖すっぞ!」


全員「…おおー」



~おわり~

これにて、いったん終了します。

みてくださった皆様誠にありがとうございました。

毎日執筆することを目標に続けてこられたのも、見てくださる皆さまあってのことです。


今後の予定としては休載していた作品を徐々に完結させていってから、また連載作品の執筆にとりかかりたいと思います。



近日中に蛇足的な感想みたいなものを書こうと思います。

よければそちらもご覧くださるとうれしいです。


重ね重ね誠にありがとうございました。

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