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日本異世界始末記  作者: 能登守
2035年
290/305

Lesson 2 陸上の時間

 大陸東部

 日本国 葦原特別行政区

 大陸総督府


 早朝の登詣という苦行がある。

 険しい山坂を越えて行くもので、その道程が修行の道であり、祈りの道である。

 麓から山頂に行くには、表参道と裏参道のいずれかを利用し、所要時間は個人差はあるが、登拝口から山頂までの片道を大人で4~5時間が目安となっている。

 円法寺円楽総督はこの登詣を2時間での往復を行うことを最近の習慣としていた。

 当然、総督警固室の面々が付き添うのだが、並みの室員では足手まといになってしまい、下山時には全員汗だくで疲労困憊になり倒れ込んでいた。

 室長の吉田香織三等陸佐はそれでもシャワーを浴び、化粧を整えて任務に参加するが、足はプルプル震えている。


「ローテーションがあるから毎日やる訳じゃないけど、正直もたないわ。

 事前に室員を山道に配置するには人数が足りない。

 レンジャー資格のある隊員の増員をお願いしないと」

「アンタも大変ね。

 公式の現場に出ることも多いから化粧も手を抜けないし」


 学生時代の同級生だった斉木和歌財務局長は同情の顔は見せるが、増員の予算にはチクチク指摘を入れる積もりだった。

 葦原の総督府も誰の趣味だか、日本の城をモデルにしている。

 鉄筋コンクリートで内部は近代的だが、駐屯地も兼ねているのでやたらと広い。

 二人は本庁舎のある天守閣から総督公邸や迎賓館のある本丸御殿を抜けて駐屯地のある二の丸に到着する。

 すでに司令官級の将官達が集まっている。

 陸上自衛隊から

 大陸東部中央方面隊総監 宮迫延有 二等陸将

 大陸東部方面隊総監 穴山友信   二等陸将


 第16師団団長 青木和也 三等陸将

 第17師団団長 久田正志 三等陸将

 第18師団団長 高野肇  三等陸将

 第19師団団長代理 加納修 陸将補

 第3戦車旅団団長 吉岡隆行 陸将補


 といった錚々たる面子だ。

 さすがに副司令官級の将官は留守居として来てはいない。


「加納陸将補は先日、着任したばかりで師団の部隊が揃えば代理の文字が外れます。

 宮迫二将は総督府の防衛問題の補佐官も兼ねています。

 青木三将はお知り合いでしたね」


 秋山首席差補佐官の紹介は続くが、青木三将は気まずそうな顔をしている。


「その節はどうも」

「はっはは、その後はお変わりなく?」


 円楽総督は気にしてないが、全身にお経を書かれた青木三将にとっては黒歴史もいいところだ。

 当時は青木三将の副官をしていた吉田三佐はニヤニヤしていて斉木財務局長に不審がられている。

 続いての紹介を穴山二将が引き継ぐ。


「基本的に陸自並びに他官庁の治安部隊は東部沿岸都市に北から」


 福原市

 ・第16特科連隊


 神居市

 ・第16師団司令部


 那古野市

 海上自衛隊

 ・特別警備第6中隊


 陸上自衛隊

 ・第6地対艦ミサイル大隊


 海上保安庁

 ・第13管区 SST第13小隊




 新京市

 道警察本部

 ・SAT(中隊規模)

 ・第1機動隊

 ・第2機動隊


 陸上自衛隊

 ・大陸東部方面隊総監部




 中島市

 航空自衛隊

 ・第9航空団

 ・基地警備第9中隊


 国境保安庁

 ・中島国際空港警備隊


 陸上自衛隊

 ・水陸機動大隊

 ・第6教育連隊(冬戦教含む)



 古渡市

 ・第16即応機動連隊



 福崎市

 ・第33普通科連隊



 稲毛市

 ・第50普通科連隊



 西陣市

 ・第16後方支援連隊


「と、なっており第16師団は国産兵器の配備が始まりっています。

 続いて東部中央都市も北から」



 東部中央都市

 駿府市

 ・第35普通科連隊

 ・第18後方支援連隊




 吉備市

 ・第52普通科連隊

 ・第18特科連隊



 沢海市

 ・第18師団司令部直轄部隊

 ・第18即応機動連隊




 浦和市

 ・第17師団司令部

 ・第17即応機動連隊


 鯉城市

 ・第34普通科連隊

 ・第17特科連隊


 杜都市

 ・第51普通科連隊

 ・第17後方支援連隊


「ここまでが新京道の部隊で大陸東部方面隊の管轄となります。

 第17師団は旧ソ連製、第18師団は華西、高麗民国、南部独立都市連合製の兵器を使用しています。

 まあ、半分は支援も兼ねた外交的な配慮の結果です。

 来年、再来年には最新国産兵器に切り替わっていく予定です。

 続いて総督府の行政区傘下の東部西方都市なりますが、こちらも北から」


 大聖寺市

 航空自衛隊

 ・第10航空団

 ・基地警備第10中隊


 国境保安庁

 ・葦原国際空港警備隊


 陸上自衛隊

 ・第7教育連隊



 葦原特別行政区

 陸上自衛隊

 ・大陸東部中央方面隊総監部



 警視庁

 ・SAR連隊

 ・第1機動隊

 ・第2機動隊


 丹南市

 ・第3戦車旅団司令部

 ・第3戦車連隊


「と、まだまだ発展途上な警備区となります。

 現状、第19即応機動連隊が那古野の港に上陸しますが、当分は18即機連と交代で王都ソフィアの駐屯地に駐留します。

 第19師団には旧米軍の兵器を装備品として使用してもらいます。

 第3戦車旅団は全戦車が90式戦車という虎の子と認識して下さい。

 続いて大陸各所の要地に駐留する先遣ですが、規模としては三自衛隊から中隊規模の隊員で構成され、地球系各国、各都市から派遣された連絡官がいます。

 欠番は内地化や部隊の拡大で解隊したところです」




 大陸中央 マッキリー子爵領

 第4先遣隊


 大陸中央 天領トーヴェ

 第5先遣隊


 大陸南部 アンフォニー男爵領

 第6先遣隊 


 大陸中央 天領マディノ

 第7先遣隊


 大陸中央 王都ソフィア

 第19即応機動連隊


 大陸南部 天領イベルカーツ

 第9先遣隊


 大陸西部 エジンバラ男爵領

 第10先遣隊


 大陸北部 デルモント男爵領

 第11先遣隊


 大陸中央 レキサンドラ辺境伯領

 第12先遣隊


 大陸東部 ソリステア子爵領

 第13先派遣隊

 大陸東部警務隊隊ソリステア分室


 大陸北部 チェスタートン伯爵領

 第14先派遣隊




「王都には交替で即応機動連隊が貼り付いてますが、王国に対する目付的な役割を担っています。

 ソリステア分室は秋月前総督が領地を賜ったことによる処置です。

 対外的には外地ですが、実質日本の自治領となっている領邦となっている地域と考えて貰って構いません。

 これらとは別の地球系各国、各都市の在外駐屯地は有事の際に自衛隊並びに多国籍軍の援軍を受け入れる整備、管理を行うものであり、通常は自衛隊一個小隊と各独立国、独立都市の連絡官が派遣されています。

 また、各大使館、領事館の駐在武官もここから派遣されています」



 高麗民国 百済駐屯地 第1駐屯地管理小隊


 北サハリン共和国 ヴェルフェネンクス駐屯地 第2駐屯地管理小隊


 華西民国 新香港駐屯地 第3駐屯地管理小隊


 呂宋市 呂宋駐屯地  第4駐屯地管理小隊


 サイゴン市 サイゴン駐屯地 南部混成団司令部兼務


 スコータイ市 スコータイ駐屯地 国際連隊兼務


 アルベルト市 アルベルト駐屯地 第6駐屯地管理小隊


 ドン・ルミソノ市 ドン・ルミソノ駐屯地 第7駐屯地管理小隊


 ブリタニア市 ブリタニア駐屯地 第8駐屯地管理小隊


 ガンダーラ市 ガンダーラ駐屯地 第9駐屯地管理小隊


 エウローパ市 エウローパ駐屯地 第10駐屯地管理小隊


 アル・キヤーマ市 アル・キヤーマ駐屯地 第11駐屯地管理小隊


「サイゴンの南部混成団司令部は先遣隊や独立都市駐屯地管理小隊等が700名を越え、国際連隊に派遣された隊員も含むと1000人近くに達することから南部部隊を統括する司令部部隊として設立しました。

 大陸中央も19即応機連を除いても800名を越えるので、中部混成団の設立を検討中です。

 また、先遣隊も駐屯地管理隊も最寄りの独立国、独立都市から装備品を購入することになっています。

 他にめぼしい部隊といえば吉田三佐の総督府警固室、公安調査庁の実働部隊、アミティ島の在米自衛隊駐屯地管理小隊、各地に点在する保安官事務所くらいになります」

 「拙僧が大陸に来た頃は第17師団が設立したばかりで、陸上自衛隊や治安部隊も随分大きくなったものですな」

 「ではそのまま航空自衛隊の説明に移らせて頂きます沢村二等空将よろしく頼みます」




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