プロローグ編032/【粋方 恭侍(いきかた きょうじ)サイト0】/【萩原 花積(はぎわら かづみ)】からのレッスン7
【花積】は、
「最後に1つ。
【フェアカノン】の何処が貴方を変えさせたの?
その説明が不十分だから説明して貰える?」
と聞いた。
【恭侍】は、
「【フェアカノン】は、一言で言うと【天真爛漫】って感じだった。
それが俺には新鮮だった。
俺がウソを付くと、プンプン怒るんだ。
嬉しいことがあったら喜び、
悲しいことがあったら涙して、
ムカつく事があったら怒る。
俺の前で素直にそれをやっていた女は1人も居なかった。
【紫乃】も俺の前では辛いのに作り笑いとかしている事もあった。
それはわかっていた。
女って生き物は感情でウソを付くとずっと思ってた。
だが、【フェアカノン】は本当に分かり易いんだ。
あぁ、こいつ、本気で怒ってるな。
あ、こいつ、本当に嬉しいんだなってのが手に取る様にわかるんだ。
それが俺には新鮮だった。
何より、俺はこいつを喜ばせたいんだなって思った。
そして、妖精サイズだったあいつを人間サイズの大きさにして一緒になりたい。
そう思うのに時間は入らなかった。
本気で好きになった。
それがあいつだ。
俺の初恋が、【フェアカノン】なんだ。
初めて俺が女に対して何かをしてやりたい・・・抱きたいって意味じゃねぇぞ。
何か、喜ぶ事をしたいと思う様になったのが、【フェアカノン】なんだ。
とにかく、あいつを見ていると楽しいんだ。
わくわくしてくる。
次はどんな事をして驚かせてやろうか?
そう、思うだけで俺も嬉しいんだ。
こんな感情持ったことねぇ。
あいつだけなんだ。
だから、あいつを肯定した。
だがよ、【紫乃】を否定したつもりはねぇ。
【紫乃】にとって一番になれないと言う事が否定だってんなら、そうなのかも知れねぇが、とにかく、【フェアカノン】は俺にとって特別なんだ。
その【フェアカノン】を奪ったあいつは許せない。
【フェアカノン】と俺の貴重な時間を奪った事はな。
だが、感謝もしてる。
そう言う間柄だ、俺達は」
「そう言う事ね。
わかったわ。
ありがと。
データに入れておくわ」
と言う話になった。
【花積】は、
「今でもその気持ちに変化は無い?」
と尋ねた。
【恭侍】は、
「ない・・・とは言えねぇな・・・
むしろあると言える」
と答えた。
「熱が冷めたの?
まぁ、恋愛ってのは思いこみや勘違いがそうさせているとも言えるからね」
「違う・・・
むしろ、当時より、熱は上がってる。
逢えない時間がよりいっそう、強い気持ちであいつを好きだと思う様になった。
早く逢いたい。
会いに行きたい。
そう言う気持ちを抑えて生活している。
あいつの事を思うと俺は冷静では居られなくなる。
そう言う存在になった。
そして、このままじゃねぇ。
時間が経つほど、俺の思いは強くなっている。
あいつの喜ぶ事がしたい。
だから、大して興味もないファンシーな世界を【世界創成】しているんだ。
それはあいつが喜ぶからだ。
あいつが喜ぶと、俺は嬉しい。
そう、思えたのはあいつだけ。
俺はあいつが喜ぶ事がしたいんだ」
「妬けるわね」
「大げさじゃねぇぞ。
俺は本気でそう思ってる」
「わかったわ。
十分理解したわ」
と言う話になった。




