プロローグ編017/【真邪悪】/【陣技/風来】討伐と【シュトゥアイトゥアイ】の影4
【恭侍】は、
「出て来いよ。
せめて、顔だけでも確認してやるよ。
俺に顔も見られず殺されるのは悔しいだろ?
6匹なのはわかってる。
諦めて出て来い」
と言った。
すると、すうっと6つの影が現れ、6名の【真邪悪】が現れた。
【恭侍】は、
「ふぅ・・・ん・・・
見た所、頭につながりそうな幹部は居そうもねぇな・・・
知ってるか?
【芦柄 吟侍】と敵対していた【怪物ファーブラ・フィクタ】って言う【クアンスティータ】の父親は、【関連消破弓】って技を使っていたって話だ。
この力はな、小者を使って連絡が取れない状態にしていようと、同じ目的の【仲間】と言うだけで、小者を通して親玉までまとめて始末出来るって力だ。
残念ながら、【関連消破弓】は俺には使えねぇ。
だが、俺の【フェイバリット・アビリティー(【新意事典】)】でこれと似たような効果を持たせる事が出来る。
・・・で出来たのがこれだ。
見た目はおもちゃの銃だがよ。
こいつを当てれば、【親玉】まで同じ傷が与えられるって書いておいた。
って事でじゃあな」
と言うと、おもちゃの【拳銃】を迷わず撃った。
【真邪悪】は瞬時に避けようとしたが、【新意事典】には、
【狙いを定められた時点で必ず当たる】
と言う意味を付け加えていたため、弾は避けた【真邪悪】に命中し、同時に他の5体も同じ傷が出来た。
弾には【真邪悪】の要素を分解するため、【吟侍】の【義兄】、【芦柄 琴太】の【異能】/【キーアクション】の効果を加えている。
【キーアクション】とは相手の心臓を叩くと相手から鍵状の物が出てそれを回すと相手の力が分解されるという力がある。
【恭侍】は、
「六丁上がり・・・
やっぱ、6匹止まりか・・・
おっさんが言うには、【能力浸透度】と【能力浸透耐久度】の問題で、実力差が圧倒的にないと、距離のある相手には【効果】は発動されないって事か・・・」
とつぶやいた。
【能力浸透度】とは【能力】自体の相手に対する【浸透度】を指し、【能力浸透耐久度】とは相手の【能力】に対する耐性力を指す。
【能力浸透度】が相手の【能力浸透耐久度】を上回れば能力は発動し、下回れば、能力は無効化及び、跳ね返される事もあるという。
また、【能力効果】で相手との距離があれば、相手より遙かに上回る【能力浸透度】を示さなければ発動出来ない。
これは圧倒的な力を持つ【怪物ファーブラ・フィクタ】だったから、【関連消破弓】と言う力が肯定されるのであって、【恭侍】のパワーではまず実現不可能な力となる。
6名の【真邪悪】の様に見える範囲に居れば、【関連消破弓】の様な効果も発動するが、離れすぎて居て、しかも見えない場所に居れば、効果は発動されない。
それが証明されたのだった。
【恭侍】は、
「ちっ・・・
やっぱ、この程度か・・・
俺もまだまだ、レベルが低すぎるって事か・・・
まぁ、いい・・・
これで、てめぇらはただの人間と大差なくなった訳だ。
てめぇらの知っている事・・・
洗いざらい、ぶちまけて貰うぜ」
と言いながら拳をボキボキと鳴らした。
【真邪悪】達は、
「ひいぃぃぃぃ」
「ひやぁぁぁ」
「ううぅ・・・」
「うあわわわ・・・」
「ひぃあっぁぁぁ」
「勘弁してくれぇぇぇぇ」
と懇願したが、この6名は既に多くの人を殺害している。
命乞いする者にも容赦なく笑いながら殺害しているクズ達だ。
それに対してかける情けは【恭侍】には全く無い。
改心しようがしまいがそれまでの落とし前はしっかりとつけさせる。
【芦柄 吟侍】の様な優しさは無いと言う事だ。
だが、敵もそれを察知したのか、
「ぎぃやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
「うがあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
「ひぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
「うばぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
「あがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
と絶叫し、息絶えた。
相手も、足が付く様な真似はしない。
使えなくなったコマは切り捨て、始末するだけ。
そう言う話である。
トカゲのしっぽ切り。
【悪党】には当たり前の手法である。
【恭侍】は、
「ちっ・・・
やられた・・・
とっとと聞き出しゃ良かったか・・・」
と悔しがった。
これで、【真邪悪】のトップへの道が断たれた。
また、一から探し直しである。
今度は敵も警戒するだろう。
今度は上手くやるだけだ。
【恭侍】は、気持ちを切り替えた。
【我妻氏】は、
「あ、ありがとう。
感謝するよ」
と握手を求めた。
【恭侍】は、
「野郎と握手する趣味はねぇよ。
それより、真っ当な仕事してねぇとまた、どっかで恨みを買うって事もあるから気をつけるんだな?
今度は助けねぇからな。
てめぇの身はてめぇで守れよ」
と言って立ち去った。
【真邪悪】/【陣技/風来】との初戦は決着が付かなかったと言える。




