プロローグ編016/【真邪悪】/【陣技/風来】討伐と【シュトゥアイトゥアイ】の影3
【恭侍】は殺害予告を受けた男性、【慈善事業家】の【我妻 芳樹氏】と彼の自宅で会った。
【恭侍】は、
「で?
あんたが、【真邪悪】から、【殺害予告】を受けた・・・
で、間違いねぇな?」
と聞いた。
【我妻氏】は、
「あぁ、そうだ。
私は、死んでもかまわない。
だが、まだ死ぬ訳には行かないんだ。
大勢の人を救うプロジェクトがまだ途中なんだ。
私が死ねば、プロジェクトが頓挫してしまう。
頼む。
プロジェクトが軌道に乗るまでで良い。
私を守ってくれないか?
頼む。
大勢の人の命もかかっているんだ」
と言った。
【恭侍】は、
「心配すんな。
ちゃんと守ってやるよ。
正直、あんたがどうなろうと俺の知ったこっちゃねぇが、【真邪悪】の頭は、俺に喧嘩を売った。
落とし前はつけねぇといけねぇ。
そのついでで守ってやるよ。
あんたがくたばらなかったら俺の勝ちって事だ。
運が良かったな。
敵が【真邪悪】じゃなきゃ、俺は助けに来なかった。
あんた、運があるよ。
良い人生、送りそうだ」
と言った。
【我妻氏】は、
「感謝する」
と言った。
【恭侍】は、
「感謝すんのはまだ早えぇって・・・
それよりやっこさん・・・
来た見てぇだぜ・・・」
と言って臨戦態勢を取った。
その次の瞬間、明るかった部屋の中がパッと暗くなる。
【我妻氏】は、
「私はまだ死ぬ訳には行かないんだ・・・
私はまだ死ぬ訳には行かないんだ・・・
私はまだ死ぬ訳には行かないんだ・・・
私はまだ死ぬ訳には行かないんだ・・・
私はまだ死ぬ訳には行かないんだ・・・
私はまだ死ぬ訳には行かないんだ・・・
私はまだ死ぬ訳には行かないんだ・・・
私はまだ死ぬ訳には行かないんだ・・・
私はまだ死ぬ訳には行かないんだ・・・
私はまだ死ぬ訳には行かないんだ・・・
死にたくない・・・
死にたくない・・・
死にたくない・・・
死にたくない・・・
死にたくない・・・
死にたくない・・・
死にたくない・・・
死にたくない・・・
死にたくない・・・
死にたくない・・・」
とぶつぶつ言い出した。
どうやら、【慈善事業家】と言うのは、表向きの顔で、裏では何かやっているのでは無いか?
【恭侍】はそう、思った。
【我妻氏】は守る価値の無い、クズ・・・かも知れない。
悪党が悪党を始末する。
その事に対しては何も思わない。
悪党同士、つぶし合ってくれるのならば、都合が良い。
そうも、思える。
真実はわからない。
【我妻氏】のやる事には全く興味はない。
ただ、【真邪悪】につながるから守っているだけの事。
【我妻氏】が悪事を働いているのであれば、いつか天罰が下るだろう。
今は、守ると約束した以上、【我妻氏】を守る。
それだけの話である。
真っ暗になった部屋の中に殺気が充満する。
【恭侍】は、
「・・・敵の数は、1匹じゃねぇな・・・
・・・3、4、5・・・
6匹か・・・
この中に、頭につながる奴が居るかどうか・・・?」
とつぶやいた。
沈黙は、
『・・・』
『・・・』
『・・・』
『・・・』
『・・・』
『・・・』
『・・・』
と7つの【気配】がある。
だが、【恭侍】は、【6匹(名)】と断言した。
それは【恭侍】が見誤っているのか?
いや、それは違う。
敵は、【気配】の数を自在に変えて、警戒させる【異能】を持っている様だ。
だが、【恭侍】は冷静に【ダミーの気配】が混じっていると分析。
正確に【敵の数】を把握していた。
【吟侍】が【クアンスティータ】に挑戦するのに当たって、【7番の化獣/ルフォス】により、一見、【瞬間移動】に見える状況で、1万回以上、分裂して見せた。
その中で実際に【瞬間移動】をした数を当てられるかのテストで、【吟侍】は正確に【18回】と見極めた。
後は、【瞬間移動】に見えるだけで、【残像】や、【空間転移】など他の力との違いを見極めていた。
これは、【クアンスティータ】の【不思議な異能】の数々の区別がつくかどうかのテストであり、違いがわからない者は挑戦する資格もないと言う物だが、【恭侍】もまた、そのテストを合格するだけの資質は持っていると言うことである。
【気配のダミー】くらいで惑わされる様な男では無い。




