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翌朝。
警察署内は、出勤してきた警察官たちの足音と会話で賑わっていた。
「きのっち!おはよう!今日もお仕事、頑張ろう!」
元気いっぱいの声が廊下に響く。
森田明音は満面の笑みで木下の隣に並んだ。
「あぁ」
木下は短く返事をすると、そのまま歩き出す。
「相変わらず反応うすーい」
森田が頬を膨らませた、その時だった。
「いやー、若いっていいよねぇ。やる気があって、見てるとこっちまで元気になる」
パン、パン、と手を叩きながら、一人の男が二人へ近づいてくる。
金髪のパーマがかった髪。
警察署とは場違いなアロハシャツ。
三十代前半であろうその男は、人懐っこい笑みを浮かべていた。
木下は男を見るなり軽く頭を下げる。
「あなたは……確か、捜査一課の……」
「名前なんだっけ?…あ!思い出した!金田さん!略して、かねっち!」
森田が勢いよく割り込む。
「略すな、ばか」
木下はすぐさま森田の頭を軽く小突いた。
「すみません、うちの後輩が無礼を」
「全然オッケー、気にしてなーいよ」
金田はケラケラと笑う。
「むしろフレンドリーでいいじゃないか。一応初対面だし、自己紹介お願いしていい?」
「はいっ!」
森田は姿勢を正すと、一歩前へ出て胸を張る。
「ごほん。初めまして!もりもり元気のポジティブスマイル!森田明音です!」
最後にアイドルのような決めポーズを取る。
その場にいた数人の警察官が思わず振り返った。
金田は目を丸くし、笑みを浮かべる。
「ははっ、アイドルみたいだね、君」
「ばれちゃいました?」
森田は嬉しそうに身を乗り出した。
「実は私、地下アイドルやってたんです!」
「なるほど!どうりで可愛いと思った」
金田は納得したように何度も頷くと、今度は木下へ視線を向ける。
「で、君は?君も地下アイドル出身?」
「違います」
木下は間髪入れずに否定した。
「生活安全課の木下拓真です。よろしくお願いします」
そう言って静かに頭を下げる。
あまりにも対照的な二人を見比べ、金田は吹き出した。
「いやぁ、いいコンビだねぇ。見てるだけで面白い」




