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スキルなしと追放された俺、辺境で目覚めたのは〈領域支配〉だった 〜帝都が気づいた時には、もう遅い〜  作者: 影山クロウ


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第91話 存在の再定義

北方同盟・前線都市ヴァルグリム。


世界が繋がっている。


人と人が、

意識と意識が、


不完全に、だが確実に。


ドクン。

ドクン。


鼓動は続いている。


だが――


「足りない……!」


アルカが叫ぶ。


全域接続によって、

崩壊は“遅くなった”。


だが止まっていない。


カルディアが言う。


「受動維持の限界です」


ミヒャエルが歯を食いしばる。


「押し切られる……!」


ラグスが笑う。


「なら上に行け」


全員の視線がアルトに向く。



アルトは、静かに立っている。


だがその内側では、

境界が揺らいでいた。


(……薄い)


自分と他者。


その境界が曖昧になり始めている。


(このままじゃ)


一拍。


(持たない)



カイネスが笑う。


「いいな」


アルトを見る。


「壊れ始めている」


一歩、近づく。


「それが“真実”だ」


沈黙。



アルトは答える。


「違う」


カイネスが目を細める。


「何がだ」


アルトは言う。


「壊れているんじゃない」


一拍。


「定義が足りない」


沈黙。



カルディアが呟く。


「……再定義」


アルカが震える。


「またやるんですか……?」


ミヒャエルが言う。


「今度は何を変える」


ラグスが笑う。


「全部だろ」



アルトは目を閉じる。


思い出す。


原初層。


エイドス。


あの“問い”。


(定義を提示せよ)


今度は違う。


これは世界ではない。


人間。


(個体の定義)



UIが静かに展開される。


【対象:人類】

【再定義:可能】

【リスク:極大】


(……やる)


アルトは目を開いた。



アルトは言う。


「人は」


一拍。


「繋がるだけじゃない」


カルディアが息を呑む。


アルカが見つめる。


ラグスが笑う。


ミヒャエルが黙る。


カイネスが興味深そうに見る。



アルトは続ける。


「支え合う存在だ」


沈黙。



カイネスが笑う。


「同じだろう」


アルトは首を振る。


「違う」


一歩前に出る。


「繋がるのは構造だ」


「支えるのは意思だ」


空気が変わる。



カルディアの目が見開かれる。


「……意思」


アルカが震える。


「……選択」


ミヒャエルが呟く。


「能動か」


ラグスが笑う。


「来たな」



アルトは言った。


「人は」


一拍。


「他人を維持できる存在だ」


沈黙。



その瞬間。


世界が止まる。


ドクン――


無音。


全域接続が、一瞬で静止する。


カイネスの笑みが消える。


「……何だ」



UIが爆発的に更新される。


【定義入力:検出】

【対象:個体→相互関係】


アルカが叫ぶ。


「来てる!」


カルディアが言う。


「再定義が走ってる!」


ミヒャエルが低く言う。


「規模が違う……!」



アルトの周囲で、光が変わる。


ただの“線”ではない。


“流れ”。


一方通行ではない。


双方向でもない。


“支え合う流れ”。



崩壊していた人間たちが、


自発的に、他者に手を伸ばす。


「……大丈夫か」


「戻れ……!」


「一緒にいろ!」


アルカが叫ぶ。


「……人が動いてる!」


カルディアが言う。


「強制ではない!」


ミヒャエルが呟く。


「選択している……!」



ドクン!!!


世界が再び動き出す。


だが今度は違う。


“維持が加速している”。


崩壊が止まる。


補助構造が不要になる。


人が、人を支えている。



ラグスが笑う。


「いいじゃねぇか」


アルカが涙ぐむ。


「……戻ってる」


カルディアが静かに言う。


「成立しました」


ミヒャエルが息を吐く。


「……本当にやったな」



カイネスが、静かに立っている。


その表情は――


初めて変わっていた。


「……あり得ない」


アルトは言う。


「これが人だ」


沈黙。



カイネスの身体が揺れる。


光が暴走する。


だが――


一瞬だけ、


“戻りかける”。


アルカが息を呑む。


「……今」


カルディアが言う。


「影響を受けています」


ミヒャエルが低く言う。


「効いてるぞ」



カイネスは、すぐに笑った。


だがその笑いは、歪んでいる。


「……面白い」


一歩、後ろに下がる。


「だが」


沈黙。


「それでも壊れる」


空間が歪む。


次の瞬間、消える。



静寂。


ラグスが吐き捨てる。


「逃げたか」


アルカが言う。


「……でも」


カルディアが頷く。


「影響は与えました」


ミヒャエルが言う。


「戦えるな」



アルトは立っている。


だが――


その身体は、明らかに限界に近い。


【負荷:臨界】

【個体境界:崩壊寸前】


(……やりすぎたか)


ふらつく。


ラグスが支える。


「無茶しすぎだ」


アルトは小さく言う。


「まだだ」



世界は変わった。


今度は本当に。


ただ繋がるだけではない。


支え合う。


それが、新しい前提。



ドクン。


ドクン。


鼓動が響く。


今度は――


人の中で。


物語はここから、


「人類そのものの進化」に入る。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


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