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VRMMOぐだぐだプレイ記  作者: 兼乃木


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228プレイ目 ゼディルバ

 夢羊(ゆめひつじ)のことは(もみじ)が書き込むまでもなく、別のプレイヤーが情報を載せていた。

 召喚士ではなくても契約できたそうだ。


 おかげで牧場にプレイヤーが押し寄せていたが、けっこう隠れているらしく取り合いのケンカにはなっていなかった。


 何より契約に制限がないので、もこもこのぬいぐるみみたいで抱き心地サイコー!と人気も上々で、みんなハッピーである。


 バトルで使う訳ではないプレイヤーは、性能の話はしていないし。


「うーん、やっぱりレベル90以上とか危険度B以上とか、手に入らない気がする物ばっかり…」

「どれもオークションでも滅多に見られないレアなアイテムですね」

「幻のイチゴが1番易しく感じる…」


 椛は掲示板のまとめスレに伝説の幻獣用の専用スキルを覚えさせるアイテムの詳細がなかったので、商業組合(ギルド)に来て調べてもらった。

 リストを見せたら美人の受付嬢が「す、すごい物をお探しで」と引くほどレアだったが。


 分かったことは、今の椛ではひとつも手に入れることが出来ないということだけだ。


 ちなみに1番安い幻のイチゴは月光ベリーという名前で、ひと粒100万(リグ)だった。それもオークションの平均取引額なので、場合によってはもっと高くなるだろう。


 入手方法をメモして、ちょっとため息をついてしまう。レベル90を越えるまでお預けだ。


「ところで、例の鹿は王家でも喜んでお買い上げ下さる物なんですよ」

「ええ?騎士団とかで狩りに行かないの?」

「騎士は猟師ではないんですよ」


 つまりプライドの高い連中は、自分で捕獲する気がないということだ。

 食べたいのに、その力はあるのに、プライドのせいで捕まえに行かない。


 …椛ならプライドより美味い肉を取るけど。


「まあ、青りんごの苗が欲しいからまた行くし、1頭だけなら」

「充分です!青りんごの苗も喜んで買い取りますよ!」

「どんどん味が落ちて行くタイプだからヤダー」


 朽梨(くちなし)のように少しずつ味が落ちて行くタイプらしいのだ。なるべく自生地で集めたい苗だった。






 鹿はともかく猪はたくさん捕獲したので、料理人プレイヤーたちにも希望者には売った。

 代わりに猪肉の美味しい料理を優先的に買わせてもらった。


「専属の食材ハンターと契約を交わしたくなった…」

「いるといいね、食材ハンター」


 椛はそんな面倒なことはやらない。

 移住者の街にみんなが集まって、拠点として機能し始めたら、誰かがやるかもしれない程度の話である。


「牧場で育てた高級肉のほうが美味いだろって侮ってたけど、話題になってたレア牛ってマジで美味いの?」

「そうだね。肉と言えば牛!ってタイプの連中が夢中になるくらい」

「やっぱり牛肉は強い…!」


 ゲームだからリアルでは食べたこともない肉でも美味しく食べているが、食べ慣れた三大食肉はやはり別格だろう。


「お肉がゴロゴロ入った贅沢なビーフカレー…ビーフシチューも美味しそう…」

「牛…やっぱり牛丼…!」

「牛丼派は多いよね」

「チェーン店で安いのばっかり食ってるから、美味い牛肉で食べてみたいだろ…」


 椛はあまり行かないが、牛丼のチェーン店に良く行く男性陣は知っている。

 安くても良いから牛肉が食べたいのか、チェーン店の牛丼が好きなのかは知らないが。


 早くヤマト国が解禁するといいねと言い合ったのだった。






 商業組合に鹿も売ったので、椛はそろそろパンダを探しに行こうかなと思っていた。

 忘れかけていたが、中華料理より先に思い出した。中華料理も楽しみだが。


「パンダの名前も考えておかないと…タグがタンタンとか、担々麺っぽい名前付けてたし…」


 可愛い名前!と思ったものの、気付いてしまったら駄目だった。タグも「そういえば!?」と頭を抱えていた。無自覚だったから。


 椛まで中華料理っぽい名前を付ける訳にはいかない。


「マー坊は駄目…!」


 別のゲームで適当に付けて後悔した思い出だ。


 冒険者組合の酒場で中華のメニューを列挙しているので、逆に食べたいのかなと思われていることにも気付かずに考えた。


 しかし考えていたら食べたくなって来たのも確かだ。


「春巻き食べたい。確かあれはライスペーパー…ライス…?」


 いやいや、ライスペーパーは生春巻き!だよね?と掲示板で調べる。

 春巻きは存在していた。皮は小麦粉で作るそうだ。


 小麦粉のない世界のほうが大変だっただろうな、と余計なことを考えてしまった。パンも麺類も全滅だ。あと春巻き。


「小麦がないならライ麦でも食べればいいじゃない…いや、ないな」


 椛は麦の種類には全く詳しくないが、やはり小麦粉のない世界は駄目だろう。

 そんな世界はどこにもないので考える必要はなかった。


「そんなことよりパンダ…小麦粉がないとほぼ全滅のパン…」


 小麦ちゃんでいいのでは…?


 思考の迷走の果てにたどり着いた名前に運命を感じてしまう。

 しかし椛もすぐに重大な欠点に気付いた。


「小麦…うーん、やっぱりないな」


 小麦のパンだ、である。ギャグにしかならなかった。


 パンダを連想するものから名付けようと考えるから駄目なのだ。

 中華っぽい女の子とか男の子の名前はどうだろう。


「…秦の始皇帝、楊貴妃、諸葛亮孔明…堅い…」


 歴史で習った超有名人くらいしか覚えていなかった。椛は大陸の歴史は詳しくない。


 三蔵法師はともかく沙悟浄はカッパだった気がするし、猪八戒はブタだった気がする。パンダはどこだ。


「パンダ…ロールパンダ…メロンパンダ…アンパンダ…」


 パンダではなく、パンだ。限りなくアウトに近いパンだ。


「パンダ…笹…竹…バンブー…タケノコ…メンマ…チャーシュー…ラーメン…」


 これは担々麺コースだ。

 ラーメン、中華そば、焼きそば。


「青海苔、紅しょうが…」


 青くんか紅子ちゃんはどうだ。白黒なのに。


「白…黒…マーブル…マーベラス…ラスベガス…琴座のベガ…こぐま座…ポラリス…」


 パンダはこぐまではないが似たようなヴィジュアルだ。

 ポーラとか北斗で良い気がして来た。きっとこれ以上まともな名前は椛の中からは出て来ない。


 あとはそう、えーヤダとか言わない子ならば。魔神どもみたいに言わない子が希望!


「うるさいこと言ったらセブンスターの刑だ!」

「何がだ?」

「せぶんすたー?」


 思考の海に浸かりきっていた椛が立ち上がって宣言すると、近くにいた冒険者NPCたちに問われた。


 なんでもないと座り直した椛だが、すっかりメイファ国に旅立つ前提で「寂しくなるなあ」「美味いもの、たくさん見つけて来いよ」と言われて???になってしまったが、行く予定なのは確かだ。

 いつ言ったかな?と首をかしげた。


 自分がブツブツとおかしな連想を垂れ流していたことに気付くのは、ログアウトしたあとのことだった。






楊貴妃の貴妃は位であって名前ではない

秦の始皇帝も名前ではないですね…


セブンスターは北斗七星から

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ゼロイスは世界中からあらゆる素材が集まるしプレイヤーメイドの高品質製品が揃う移住者の街になるはずなんだな、いつかは いつになるか全く見通せない状態だけど… 今はむしろお隣アンセムに世界中の果樹が集まり…
そう言えばちょっと気になったんですが、料理はNPCにランク制限が発生しますが、金満プレイヤーがNPCを雇って罠を仕掛けさせて得た獲物を使って料理する場合、ランクに影響はあるんでしょうか?(素材にランク…
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