表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/154

第11話 親御さんへのあいさつは大切です

「え?ロミアの家に?」


ロミアと昼食を食べ終わった後、なぜかロミアに家に来ないか誘われた。


「いいけど、急にどうしたの?」


俺が聞くと、ロミアは俺の服の袖を掴んで上目遣いで俺を見た。


「・・・ダメ、かな?」


・・・行きましょうじゃないですか!!!


可愛い子にここまで可愛くお願いされたら、断るわけにはいかない!


「ううん、いいよ」


俺は、笑顔で言った。


さすがに、今心の中のテンションを急に出したら嫌われそうだからね。


「ありがとう!」


俺がOKすると、ロミアが笑顔で抱きついてきた。


すみません、可愛すぎてにやけが止まりません。


幸いロミアから見えてないから、まぁ大丈夫だろう。


「じゃあロミア、家まで案内してもらえる?」


「うん!」


俺が頼むと、ロミアは俺から離れて立ち上がった。


俺も立ち上がると、ロミアは川を下る形で歩き出した。


俺とロミアは並んで歩いている。


ロミアが俺の歩くペースに合わせているのが分かる。


何だろう、相手は幼女とはいえここまで女の子に好かれたことないから嬉しいけどちょっと戸惑うな。


前世でも、一応売れっ子作家ではあったけど本名とか身分に関するものは名乗ったことなかった。

顔出しもしたことなかったから、みんな俺がその作家だって知らなかったしなぁ。


・・・彼女もいたことなかったです、はい。


「ん?どうしたの?」


俺がそんなことを考えていると、ロミアが俺の顔を見ながら聞いてきた。


「何でもないよ。

ロミアの家って、この近くなの?」


「うん!そんなに遠くないよ」


俺が聞くと、ロミアは笑顔で答えた。


この子、最初と印象が変わりすぎている気がするんだが。


「ほら!見えてきた!」


5分くらい歩いた時だった、ロミアが前を指差した。


そこには、青い屋根の一軒家があった。


1階建てだが、そこそこ大きいな。


「あれがロミアの家か?」


「うん!そうだよ!」


何だろう、勢いで来てしまったが少し緊張してきた。


こ、こういう時親御さんに会ったら何て言えば良いんだろう?


そうだ、まずはロミアと仲良くしている事を伝えれば良いんだ。


“娘さんと仲良くさせてもらってます”


・・・いや、何か違うな。

この言い方だと、もしかすると誤解を与える可能性がある。

しかも、会ったのも友達になったのも今日が初めてだし。


となると、やっぱりこの先も仲良くさせてもらう事を伝えたほうがいいよな。


”娘さんのことは、僕に任せてください!幸せにしてみせます!“


・・・何でだろう、さっきよりもステップアップしてしまった気がする。


うーん難しいな、良い言葉が思いつかない。


「ガル、着いたよ?」


俺がロミアの親御さんへの挨拶を考えていたら、どうやらロミアの家に到着したらしい。


まだ挨拶が決まってないけど仕方ない、後は出たとこ勝負で何とかするか。


「ママー!ただいまー!」


ロミアがドアを開けて中に入っていく。


「ガルも一緒に来て!」


ロミアに腕を引かれて、俺も心の準備が出る前に家の中に連れていかれた。


「あっ!ちょっ!ロミア!」


少し長めの廊下を真っ直ぐ行くと、広めの空間に着いた。


ロミアはそこで止まった。


「あらロミア、お帰りなさい」


声がしたほうを向くと、椅子とテーブルを挟んだ向こう側のキッチンと思わしき場所から、20代前半くらいの女性がこちらを見ていた。


女性は洗った手を拭くと、こちらに歩いてきた。


「あれ?その子は?」


女性は俺に気づいて、ロミアに聞いた。


どうやらこの人がロミアのお母さんらしい。


女性は、髪型がいわゆるポニーテールの身長が少し高めでスラッとした体型だ。


シルビアがおっとりした大人の女性なら、この人は元気な姉さんタイプの女性である。


「ロミアの友達!」


ロミアが俺の腕に抱き付いて、満面の笑みで言った。


「あら、そうなの?」


ロミアのお母さんは、俺とロミアに笑顔を向けている。


「はい!ガルファット・ファーリンです!ロミアのお世話になってます!」


俺が言うと、ロミアのお母さんは大笑いした。


何か変な言い方になった気はするが、挨拶は成功したらしい。


「フッハハ、そっかそっか。

じゃあこれからも、ロミアのお世話になってやってくれ!」


ロミアのお母さんはそう言った後、「だけど」と続けた。


「もしロミアに何かあったら、お世話してやってくれるか?」


ロミアのお母さんは、優しい笑顔で言った後目の前でしゃがんで俺の頭を撫でた。


「はい!」


俺は笑顔で元気に返事をした。


ロミアのお母さんは「よし頼んだ!」と言って、満面の笑みになった。


あ、笑った顔がロミアとそっくりだ。

やっぱり親子なんだなぁ


そういえば、俺はロミアのお母さんの顔をみて気がついた。


この人も、目がオッドアイなのだ。


俺から見て向かって右が黄色、左が紫色だ。


「カリアー、材料取ってきたわよー」


聞き覚えのある声が入り口のほうからした。


「あれ?私ドア開けたままにしてたっけ?」


どうやら声の主は、ドアを閉めるとそのままここに向かってきているようだ。


俺はその声の主を知っている。


そりゃそうだ、4年間聞いてきたのだから。


「あら、ガル。何であなたがここに?」


野草を抱えたままの声の主は、俺を見て尋ねた。


「母さんこそ、どうしてここに?」


俺が言うと、シルビアは不思議そうに言った。


「朝言ったでしょ?今日はサダージュさんの家に行くって」


え?・・・あ、そういえばそんなことを言っていたな。


ん?ということは


「ロミア、君ロミア・サダージュっていうの?」


俺が聞くと、ロミアは頷いた。


「うん、言ってなかったっけ?」


うん、聞いてないです。


まぁ、別に気にしないからいいけど。


「ありがとうシルビア、ガルファット君はロミアの友達よ。

聞いてないの?」


カリアがシルビアに尋ねると、シルビアは驚いた顔をした。


「え?初耳よ?ガル、ほんと?」


シルビアが俺に聞いてきた。


「はい、本当です。

まぁ、友達になったのは今日が初日ですけど。」


「あら、初日でそんなに仲が良いの?羨ましいわね」


俺が言うと、シルビアは笑顔で言ってきた。


ん?どういうことだ?


不思議に思ったが、横を見るとロミアがまだ俺の腕に抱き付いていた。


うん、何だろう少し恥ずかしくなってきた。


「そうだ、せっかくだしガルファット君も一緒にお茶していく?」


カリアが思い付いたかのように提案してきた。


「良いんですか?」


「人数は多いほうが楽しいし、客人でロミアの友達なら尚更おもてなしはしなくちゃね」


俺はシルビアのほうを見た。


シルビアは、笑ったまま頷いた。


「では、お言葉に甘えます」


その後、俺たちは4人で午後のティータイムをした。


ちなみに、その時もロミアは俺にべったりでシルビアとカリアに少しからかわれたのは言うまでもない。


そして、家に帰った後もシルビアが今日の話をジークとフィーネにした。


俺とロミアが会ったときの事も、ロミアから教えてもらっていたのでもちろんそれも含めてだ。


・・・その日の夜は、恥ずかしさに悶えながら眠った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ