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第10話 口説いてないよ・・・ほ、本当に

「そういえば、君の名前を教えてもらえるかい?」


俺と少女は、川の近くに座っていた。


少女の傷を治した後、俺の方から「とりあえず、話さない?」と言ってお互いにここに座った。


少女は、膝を抱えて座っている。


両手でズボンの裾を握りしめている。


「・・・ロミア」


俺の方を見ずに、少女は呟くように言った。


「ロミア、か」


俺が言うと、少女は小さく頷いた。


「ロミアは、練習とか修行とかして無詠唱で魔法を使えるようになったの?」


「・・・家にある本を読んで、やってみたらできた。」


ロミアは小さく首を横に振った後に言った。


やってみたらできた、か。


なるほど、つまりは天才ってことか。

無詠唱なんて誰もができる訳じゃないし、仮にできてもきっかけがなきゃ早々にできるものでもないし。


俺の場合は、シルビアとの魔法の授業がそのきっかけだ。


いくら俺でも、何のきっかけもなかったら無詠唱で魔法なんて使えなかっただろうし。


・・・同年代で自分より上の奴って、いなかったからなぁ。

まぁ、関わること自体がなかったけど。


悔しいとかって感じるよりは、すごいって感じるなぁ。


「君の名前は?」


俺がそんなことを考えていると、ロミアが俺に聞いてきた。


「俺?俺の名前はガルファット。

ガルって、呼んでくれていいよ」


「ガルは、何で魔法が使えるの?」


俺がそう言うと、ロミアは質問を続けてきた。


「俺は、修行したり魔法の授業受けて使えるようになったんだよ」


俺の言葉に、さっきまで前を見たままのロミアが俺の方に顔を向けた。


「自分から使えるようになったの?」


ロミアが不思議そうな目で俺を見ている。


「うん、使ってみたかったんだ魔法」


俺が笑顔で言うと、ロミアはまた顔を逸らした。


「・・・別に、使えてもいいことなんてないのに」


そして、また悲しそうな目をして呟くように言った。


まぁ、なんとなくだけど理由は分かるよな。


「・・・友達、いないんだろ?」


俺は、なぜか確信を持って言った。


・・・かなり失礼だよなぁ、ごめんね。


俺の言葉を聞いた瞬間、ロミアがかなり落ち込んだ感じがした。


「俺も同じなんだ」


俺は笑いながら、ロミアの頭を撫でて言った。


「ロミア、俺と友達になってくれないか?」


「え・・・?」


ロミアは、驚いた顔をして俺を見た。


「・・・私でいいの?」


「嫌、だったか?」


俺が聞くと、ロミアは首を横にブンブンと振った。


「嫌じゃないけど、怖くないの?」


俺は、左手の手のひらを川のほうに向けた。


そして、魔力を注入して10センチほどの大きさの水の弾を作った。


水弾ウォーターボール


俺の作った水の弾は、川の向こうに飛んでいった。


「同じことができるのに、怖がる理由なんてないだろ?」


俺は笑いながら言った。


だが、ロミアは不安そうな目をしたままだ。


「でも、私目の色違うし」


「キレイじゃないか、俺は好きだよ」


ロミアの顔が少し赤くなる。


「そ、それに魔族の血が入ってるし」


「ん?そうなのか?」


ロミアは、少し下を見て「うん・・・」と頷いた。


「別に気にしないぞ?

というか、言われるまで気づかなかったし」


本当に言われるまで分からなかったしな。


でも、何でそれが出てくるんだ?


・・・あぁ、そういえば昔魔族が戦争起こしたんだっけ。


でも、あれはバーデン・アリソンが首謀者で他の奴らは命令されただけだったしな。


まぁ、それでも気にする奴らはいるわけか。


「でも、でも・・・」


俺が考えている間も、ロミアは戸惑っていた。


俺は、そんなロミアを抱き締めて言った。


「大丈夫だから、そんな悲しそうな顔をするなって。

女の子は、笑っているほうが可愛いよ?」


そう言って、俺は抱き締めるのをやめてロミアの顔を見た。


ロミアは、満面の笑顔で俺を見ていた。


むちゃくちゃ可愛いな、この子。


「さて、そういえばお腹減ってきたな。

お弁当あるけど、食べる?」


「え、いいの?」


ちょうど昼飯時だからか腹が減ってきたので、ロミアと一緒に弁当を食べることにした。


バスケットを開けると、中にはハムと野菜の挟まれたサンドイッチが3つ入っていた。


ロミアが美味しそうと言いながら、目を輝かせている。


そんなロミアに、俺はサンドイッチを1つ取りどうぞ、と渡した。


ロミアはありがとう、と言うと両手で持ったサンドイッチにかぶりついた。


美味しい、と満面の笑顔でサンドイッチを食べるロミア。


美味しいだろ?うちのスーパーメイドさん特製だからな。


そんなことを思いながら、俺もサンドイッチを食べた。


相変わらず美味しいな、フィーネのサンドイッチは。


この世界で初めてできた友達との食事、俺はとても満喫した。








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