第4章 人工聖剣計画
本作は『聖魔剣戦記』の外伝です。
本編では語られなかった人物たちの過去や、物語の裏側で起きていた出来事を描いていきます。
彼らが何を経験し、何を思い、どのような道を歩んできたのか。
本編とはまた違った視点から、『聖魔剣戦記』の世界を楽しんでいただければ幸いです。
それでは、外伝の物語をお楽しみください。
聖魔剣戦記 外伝
ある司祭の決断
その頃、枢機卿は執務室で一冊の報告書に目を通していた。
表紙には、こう記されている。
『人工聖剣計画・研究報告書』
枢機卿はページをめくった。
人工聖剣そのものは、すでに完成している。
残されている課題は、人工聖剣を扱える適性を持った人間を見つけ出すことだった。
これまで研究施設へ送られた子供たちは、すでに二百人近くにのぼる。
報告書には、これまでの実験記録と、被験者たちに関する情報が記されていた。
枢機卿は、ある項目で指を止めた。
「……まだ、適性者が足りぬか」
声に、怒りも悲しみもなかった。
人工聖剣は完成している。
あとは、それを扱える者を見つけ出せばいい。
枢機卿にとって、子供たちがどのような境遇に置かれているかは、優先すべき問題ではなかった。
彼が求めているのは、計画の成果だけだった。
枢機卿は報告書を閉じ、新たな名簿へ目を向けた。
そこには、これから引き渡される子供たちの名前が並んでいた。
「さて……次の十人は、どんな結果を見せてくれるのかな」
その声は、誰もいない執務室に冷たく響いた。
第4章 人工聖剣計画 完
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
今回の外伝では、『聖魔剣戦記』本編では語られなかった物語をお届けしました。
本編では描ききれない人物たちの過去や、それぞれが歩んできた道。その裏側にある出来事を知ることで、物語の世界をより深く楽しんでいただけたら嬉しいです。
これからも、本編では描かれない物語や人物たちの知られざる一面を、外伝を通してお届けしていきたいと思います。
少しでも楽しんでいただけたなら、ぜひ感想や応援をいただけると励みになります。
これからも『聖魔剣戦記』をよろしくお願いします!
三國ユウ




