初めての炊き出し
馬車で旅立ち、一番近い町への道が続いていた。
そこを横切る様に一人の青年がふらふらに歩いている。
そしてついに倒れそうになった。
「危ない!」
俺は馬車から降りて抱きかかえた。
「大丈夫か?」
「お腹が減った」
皆努めて冷静に対処した。
「馬車に収納しよう」
カミュさんはパンをあげた。
「ほら、パンだ」
「ありがとうございます」
「どうしたんですか」
「家を追い出されたんです。絵描きになりたいと言ったら」
俺は即座に答えた。
「それはひどい親だ」
俺は勢いよく続けた。
「俺は家を出て夢を追うべきだと思います!」
しかしマキシマーさんは違う意見を言った。
「しかし食べ物に困る可能性がある」
「カミュさんはどう思ってるんですか」
カミュさんは頬杖をついて間を開けてやがて答えた。
「俺は二人のどっちの意見も正しいと思う。でもどっちかと言うと親が悪いね。俺がもしあれなら同行してあげるよ」
「え!」
俺は聞いた。
「三人の意見でどれが参考になった?」
「カミュさんですかね」
俺は感心した。
「やっぱり口で言うだけじゃなく『俺は君の味方だ』と強く思わせるのが大事みたいだね。カミュさんはすごいや」
人助けの目標初めて一人達成できた。
さあ町へ行こう。
そして町にいよいよ着いた。
「どこか適切な場所は」
「あそこがよさそうだ」
噴水の近くに移動した。
そして馬車からセット一式を出し準備を始めた。
人が集まって来た。
「ここで何かするんですか?」
「炊き出しをやります」
「ええ?」
俺達は火や鍋を用意した。
切っておいた野菜や肉を出す。
大きな鍋に水をくべ煮る。
新鮮な試み、かつ美味しそうだと皆集まって来た。
「僕達はお金のない人の為に炊き出しをやります。順番に並んでください」
「えっ? ただ?」
普通の人と貧民が両方ぞくぞく集まって来た。
「いいにおい!」
お皿にスープを入れて渡した。
最初に食べた人が言った。
「美味しい!」
「良かったです」
さらに人がぞろぞろ集まって来た。
「今日はサービスでただです」
「あ、あうう、ただでくれるのかね……」
「もちろん」
「う、美味い! こんな美味い物は初めてだ!」
喜んでもらえた。
さらに何人も貧民がぼろぼろになりながら並んだ。
皆口々に美味しいと言ってくれた。
「美味しいスープだ!」
まずいと言ってる人がいない。
すると貴族の様な女性が来た。
「あのいいですか?」
「はい」
すると陰口が聞こえた。
「あの人裕福そうじゃないか。皆困ってる人ばかりなのに」
カミュさんは言った。
「大丈夫です。我々は全ての人達に平等です」
「美味しいわ」
不平の声が聞こえた。
しかし構わず続けた。
「さあいらっしゃいいらっしゃい!」
大盛況となった。
「良かった」
その日の客は四十八人程だった。
そして二時間ほどでなくなり俺達は引き上げようとした。
「あのー、貴族の人来てた時陰口聞こえましたね。それに中等の方と貧民を両方ただなのも問題あると僕は思います」
「帰って反省しよう」
「明日の仕込みもね」
俺は7スベルさんに聞いた。
「もう仕込み始めるのですか」
「うん」
「お、俺も手伝いたいです。迷惑ですか」
「いや、大丈夫だ」
「俺も料理を作れる人になりたい。手伝える人になりたい」
「本気かね?」
「え?」
「君は本業は戦士だ。二足のわらじで務まる程甘くはないぞ」
急に厳しくなった。
「俺スベルさんの行動に感銘を受けました。手伝いたいし将来は自分がそういう仕事をしたい」




