殴られても通せない
今回はバッツ視点です。
「こっちへ逃げて下さい!」
避難誘導は不慣れな俺。
大声を出したけど同時に冷静さを失わないよう気を付けた。
あの雪男や兵達から遠ざける。
パニック気味である為バラバラな動きの町民。
そして何より貧民だ。
あの人達は栄養不足で力がなく足腰もなまっている。
しかも魔王軍は貧民を優先的に殺そうとして来る。
「良し!」
俺はまず二人三人担ぎ上げ全力で走った。
「バッツさん!」
「ロレインは冷静な避難誘導をしてくれ」
どうにかこうにか皆の協力で避難は大方成功した。
担いで走って疲れた。
「貧民を追え!」
「くっ!」
俺は手を出さず必死に逃げた。
そしてもう一つの役割。
馬車や食堂セットを守る事。
「はあはあ無事だ」
「どうかな?」
そこへ兵が七人囲んだ。
「くっ!」
「まず」
何と兵の一人が食事用の台に火矢を放った。
「くそ水がない」
俺は手で掴んで火を消そうとした。
「ぐあああ!」
「バッツさーん!」
あ、あつ、右手が使い物にならなくなった。
「おいおい無茶しやがってそれじゃ戦えないだろ」
「くっ!」
俺は馬車や台等を背にしてかばった。
「ここには通さない!」
「面白い」
数人の兵が俺に近づき殴った。
腹を殴り顔を殴りいたぶる。
俺を試すかのように。
俺は倒れられなかった。
カミュさんに「俺の役割」として頼まれてるんだ。
まだ兵の暴行は続く。
何発殴られても俺は耐えた。
「面白いじゃんこいつ」
「やり返さずに堪えてるぜ」
俺は足は残っていたがやり返さず動かず場を死守した。
棒で肩を殴られた。
次は足。
左足に矢が刺さった。
「こんな物守る意味あんのかバーカ」
「この店は絶対渡さない。壊させない」
「じゃあ殺してやる」
「やめて!」
ロレインが止めに入ったが殴り飛ばされた。
「! てめえ! 女を殴ったな!」
俺は遂に切れてしまい兵の一人を殴った。
しかし一式セットはがら空きになった。
「動くとこの馬車一式を破壊するぞ。炊き出し何かやって生きてる意味のない奴らに食べ物あげやがって」
「意味はあるんだ」
「じゃあ燃やしてやるよ」
そこへ掴みかかった人がいた。
「スベルさん!」
「バッツ、女が殴られて切れるとはかっこいいじゃないか」
「あ、いや友達だから」
「おっとここは儂が守る。さあ殴って来い!」
「スベルさん!」
兵達はスベルさんを殴り始めた。
「バッツ、儂はいい、カミュ君たちを助けに行け」
「そんな事、出来ない!」
「……!」
剣と宝石が光った。
火傷してない左手で剣を持った。
「レインボーメーカー!」




