カミュも弟子入り
修行はさらに続く。
今何時かと忘れる程。
まず掃除をして食器を洗う。
不器用な俺だけどやるしかない。
ぎろりと斜めから睨み続けるスベルさん。
言いたい事があるのか、ないのか不気味。
さらについに魚の切り方に入った。
早い。
「よく見ていろ」
「はい!」
唸るような手つきで魚を切り身にするスベルさん。
俺はじっと吸い付くように見つめる。
で不意に
「やって見ろ」
「はい」
滴る汗、激しすぎる眼光を背に俺は見おぼえた通りやった。
しかし
「何を見ていた?」
「え?」
「切り方が全然違うじゃないか!」
「う……」
俺は何も言えなくなってしまった。
その時呼び鈴が鳴った。
客は何とカミュさんだった。
「俺にも料理を教えてください」
「え!」
「君は戦士だ、二足のわらじで務まる程甘くはないぞ」
「やります!」
「ほう。ではまず掃除から」
十分後カミュさんは怒鳴られた。
「すみませんすみません」
「すみませんは一度でいい」
カミュさんは本気で怯えてるんだ。
だからつい二回言ったんだ。
そしてその夜は明けた。
あー怖かった。
これからも続くのか。
言い出したの俺だけど。
次の日は予定を変えた。
「貧民街に行こう。今度はよりお金のない人にあげるんだ」
で雰囲気の悪い貧民街の路地に行った。
するとゾンビと狼を足したような目つきの人達がいる。
そこへ一式を用意する。
するといいにおいに皆関心を示してきた。
「なんだ」
「激安のスープです! 美味しい出汁と肉が入ってます」
「肉?」
「本当だ。でもこんな肉が安いなんて嘘じゃ」
「本当です」
「この路地の人間は一杯人に裏切られて来た。だから人を信じる癖がついてないんじゃ」
「うーん」
俺達は火をくべ鍋を出し煮始めた。
「お、美味しそうだ耐えられない」
「いや待てぼったくりかも知れん」
俺は信じてもらう為自分で一口食べた
「美味い! この味!」
俺は出来るだけ美味しそうにアピールした。
「何か効き目薄い」
「美味しそうではあるがただなのが」
「質問する。君達はどうやって収支バランスを取ってるんだ」
「この肉は魔王軍のアジトから取って来たんです」
「え? 勇者カミュ?」
皆の目つきが変わった。
その時だった。
悲鳴があたりにこだました。
「怪物だ!」




