014_現代_片思い(望まない最後)
胸の奥が、ちりちりと焼けるように熱い。
大石くんと美緒が楽しそうに笑い合っている。
ただの友人同士の距離感。だけど、二人の間に流れる空気は、もう完全にそれ以上の何かを感じさせるものだった。
気づいていないのは、当事者であるあの二人だけなんじゃないか。
周りから見れば、そんなの火を見るより明らかだった。
最後のときが近い。そんな気がする。
ぎゅっと拳を握りしめ、二人の輪から遠ざかる。
その夜、ベッドの中で、一晩中考えた。
二人がお互いの気持ちに気づくのは、明日かもしれないし、一週間後かもしれない。だけど、その瞬間が来たら、私が何年も温めてきたこの恋心は、行き場をなくしてしまう。誰にも知られず、なかったことになってしまう。
望んでいない最後を、せめて望む形で終わらせたい。
ただ失恋するのを待つなんて御免だ。そんなの私のガラじゃない。
私が長い間ボロボロになるまで抱えていた、苦しくて、愛おしいこの想いを、せめて大石くんの記憶に刻みつけたい。
フラれると分かっていても、ちゃんと自分で終わらせたい。
そう決意した。
翌日の昼休みに、渡り廊下を歩く大石くんを見つけた。
呼吸を深く整えて、私は自分の足に力を込める。
頑張ろう。
「あ、大石くん。ちょっと、今いい?」
振り返った大石くんの瞳に、まっすぐな私を映すために、私は最高の笑顔を作った。




