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月の光に導かれ  作者: カムイコタン
第1章 月の光教団
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第4話 スキルとレベル

毎週金曜18:00頃更新予定です。


「リオン、今の聞いた?俺からちょっと離れるだけで、能力減少やスキル消失が発生するとか恐ろしいこと言ってなかった?」


「伺いましたが、特に何の問題もない制約だと思いますよ。」


 え?何言ってんの?みたいな顔で俺を見ているリオン。


 いやいやヤバいでしょ、俺との距離が半径500m超えた瞬間、能力が減少するやらスキル消失の可能性があるやら・・・相当なデバフじゃないか。そうなるとリオンは俺にべったり引っ付いていないといけない。う~んプライバシーの問題(主に俺)もあるしねぇ。


「確か、半径500mって言ってたから、結構近くにいないといけないんだぞ?まぁ2~300mくらい離れることが出来れば、プライバシーの問題も解k」


「離れませんよ。」


 ん?周囲の気温が1度下がったように感じたんですけど。


 ま・・まぁ言うても、キモオジアラサー男子の俺がティーンのキレカワ女子の傍に居続けるって、俺的にはご褒美だけど相手には拷問でしょ。


「いや、だってリオン、嫌でしょ?ずっと一緒にいるなn」


「ワタシは離れませんよ。・・・まさかヒカリさまは、ワタシのような女は近くにいらないということでしょうか?でしたら、今すぐに首を掻き斬って消えますが・・・」


 俺の言葉を遮るほど、離れるのは嫌と捉えて喜んで良いんでしょうか。

 しかい俺のプライバシー(事故処理時間)は・・・。

 

 そんな風に考えていると、リオンが、スっと腰についてる鞘から剣を取り出し、自分の喉元にピタリと合わせだしたので、慌てて遮る。


 おいおい、首を掻き切る気じゃないよね?と・・止めないと!!!


「リオンさん!ずっと一緒に居て欲しいッス!リオンみたいな美女にすぐ近くに居て頂けるなんて、ぼかぁ、幸せ者だなぁ!!」


 あるぇ?俺、多少のヤンデレって言いませんでしたっけ?これ結構、重厚感ありますよ?


 俺、何かやっちゃいました?


 どう考えてもおかしいほどリオンが俺に執着してる気がする。

 これって権能の影響なんじゃないの?催眠系や常識改変系はあまり好きじゃないんですが、それは・・・。


「まぁ、美人だなんて・・・ヒカリさま、嬉しいです。ワタシはヒカリさまの傍に居ますから安心してください。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


 非常に素敵な笑顔で“侍らせろ”宣言を頂きました。うーん、美女だよ、文句のつけようのない美女ですわ。確かに美女・美少女ハーレムをお願いしたよ。でもさ、こう心臓を万力で掴んでキリキリ締めるタイプじゃなくて、主人公最強のカタルシスを彩るハーレムというか、もう少し何というか手心というか・・・。


 まぁ難しい事は一旦、置いといて(怖いから)、まずは権能とかスキル、その他パラメータの疑問点の擦り合わせをしておこう。


「と、ところでリオンさ、権能って聞いたことある?」


「権能ですか・・申し訳ありません、聞いたことありません。」


「俺の“救神誓約”ってスキルなのかな?実際、何なのか自分でも分からないんだよ。」


「そうですね・・スキルは大体、文字列を見て想像できるものがスキルになることが多いです。“料理”とか“剣術”とかが、そうですね。

 こういったスキルは、先天的・後天的に習得可能です。スキルLvをどう判定しているかは定かではありませんが、何も確認せずに出来るようになるとスキルを習得できると聞いています。

 私の所有する“聖剣術”は指導者からの指導が必要なくなった時、スキルにLv0で表示されました。ユニークやエクストラになると少し文字列を見てから、想像しないといけないようなスキルとなります。

 私の“断罪”とか“十字軍”みたいな感じですね。ちなみに“断罪”は不可視の剣を高速で対象に振るったり飛ばしたりするスキルになっていますよ。」

 

 ホント、リオンさん優秀過ぎるだろ。一家に一台リオペディア(※リオン+ウィキ〇ディア)だな。あと、さらっとエクストラスキルの内容を喋っちゃってますけど、いいんですか?俺聞いちゃって。


「ヒカリさまには、ワタシの全てを知っていただいて構いません。」


 ありがたいお言葉頂きました。少し前なら激カワ美女から“私を知って♡”なんて言われたら大興奮なんですが、今は“アナタが死ぬならワタシも死ぬ。一蓮托生なんだから秘密なんてないですよね♡”というかなり切羽詰まった言葉に聞こえるから、異世界ものの難聴系主人公はいなくならないんだろうな。


 だって向き合うのかなり怖いもん。


「なるほど。そうなると“救神誓約”ってどうやって使用するんだろ。」


「使用して頂いたワタシの感覚ですと、①対象を回復・復活させる②ヒカリさまへの忠誠を誓う③能力が上がる④制約がかかる こういった4段階のステージがあるように思います。」


 キリッとしてるときはマジで有能すぎるんだけど、リオペディア。変なスイッチが入ると激重感情が(ほとばし)るんだよなぁ・・・。


「さすが、インテリジェンス500やで、考察一つとっても300の俺とは一線を画しますな・・」


「ヒカリさまからお褒めの言葉を頂くことがワタシの至上の喜びです。」


「重い、受取り方が重いよw

 能力が上がるってどのくらい上昇したか大体でいいけど分かる?」


「ハイ、以前のワタシの能力から約1.5倍ほど数値が上昇し、エクストラスキルが2種発現しています。変わっていないものはLvとユニークスキルです。ユニークスキル“堅牢”のおかげで命を落とさずヒカリさまに出会えましたので、このスキルには運命を感じております。」


 なるほど。何らかのきっかけで“救神誓約”が発動し、その恩恵を受けた者が忠誠を誓えば1.5倍ほど能力が上昇したり新たなスキルを得たりするけど、きつい制約がかかる。


 『きつくありません』あのちょっと人の思考に介入するのやめてもらえますか。


「そういえばさっき、(新しく手に入れたスキルも把握できています)って言ってたけど、どうやって把握出来たの?」


「機械的な音声が頭の中に流れてきて、スキルの概要を説明されました。こんなスキルを取得できますがどうしますか?という風に聞かれました。これはヒカリさまによる天啓に違いありませんでしたので、是非もなく了承いたしました。」


 うん、そこは少し考えようか。ただでくれる物より怖いものなんてないんだから。


 機械的な音声は、異世界ものでよくある“世界の言葉”的なものなんだろうね。でも大体これで、“救神誓約”は何となく理解できた。


 “救う”と“誓約”・“制約”を同居させるなんてかなりピーキーなスキルだな。しかも任意発動じゃないあたり割と使い勝手悪そう。でもバフと回復はなかなかお得な気がする。あとは、発動前の頭痛と対象選別をどうやっているかだな。使用可能な対象が出現すると何らかの体調不良でお知らせがあるんだと考えておこう。


「次にさ、実際、俺の能力値ってどうなの?低いよね?」


「ハイ、紙装甲です。」


 紙装甲、頂きました。リオン、割と辛辣コメントなんだけど、なんで?


「か、紙装甲を重装甲にしたいんだけど出来るかなぁ?」


「ハイ、それは日々のトレーニングなどで可能だと思いますが、男性は元々能力上昇幅と基礎値が低いので、どこまで能力が上がるかは分かりません。申し訳ありません。」


 トレーニングとかで能力値って上がるんだ。あれ?だったらLvが上がるとき能力値は上昇しないのかな?それにLvってどうやって上げるんだ?聞いてみよう。


「謝る必要ないよ、鍛えれば数値が上がる可能性が見えただけでもありがたいし。ちなみに、今の話だと日々のトレーニングで各能力値が上げれるなら、Lvっていつ上がるものなの?」


「Lvは、1年間の経験と上昇した能力値を基に生誕日に0~∞上がります。またその際には、各数値も追加上昇が発生します。Lvを見ることで1年の鍛錬の成果を確認できるようになっているので、年齢が低くとも肉体や心を鍛え上げた者はLvが高く、能力値も高くなります。

 一方、年齢が高くとも怠惰な者はLvが低く能力値も低いという現象が起きます。また、年に1回Lvが上がる際の追加の数値の上昇にも個体差があり、同じような訓練を積んだものでもLvが上がるときに普段の上昇より大幅に数値が上昇するものもいれば、そんなに数値が上昇しないものもいます。


 まとめますと、日々の鍛錬で少し能力値が上がり、生誕日のLv上昇時に更に能力値上昇もされるという、努力の結果が2段階で可視化されるイメージですね。」


 何か普段の努力や経験で数値が少し上がって、1年に1回Lvが上がった時はLvと大幅数値上昇って決算とかボーナスみたいなイメージだな。


 おっと、そういうことだと、俺の15歳でLv1はかなり怠惰に過ごしましたってことの証明じゃないか?リオンから見たら「うわーこいつ15歳まで遊んで暮らしてたんだwwキモ~ww」って思われるんかな。見損なわれるのはかなり嫌だなぁ。


 ・・・“あなたの剣になります”っていうセ〇バー宣言もしてもらったし、異世界転移したこととかも含め、俺の事情も話しとかないといけないよね。俺の使徒さまだし。


「リオンさんや、内緒にしておきたい話があるのですが良いでしょうか?」


「ハイ、改まってどうされましたか?ワタシはヒカリさまがどのような歪んだ性癖だろうと、破れた修道服の隙間を舐めまわすように見ていても大歓迎ですよ。(ニッコリ)」


 ・・やめて。痛恨のダメージ入ってるから。たまに辛辣ムーブかましてくるの何で?


 こういう”やり取り”が結構好きなのバレてる?


「んんっ、ゴホンっ!じ・・実はですね、俺は、こことは違う別の世界から来まして・・・いやまぁ信じられないと思うけど。・・・だからLv1なんで、決して自堕落に遊び惚けてたからLv1というわけではなく~」


 ということで、今までの経緯をかいつまみながら説明を行う。自分がどうしてここにいるのか。今後できれば異世界を満喫しながら冒険者みたいに生きてみたいことや隔離されて種馬生活はちょっと嫌だなってことや、前の世界に戻りたいという希望もないが一抹の寂しさを感じていることなど、ついついリオンに吐露し(ゲロッ)てしまった。


 リオンの言葉の端々から俺を信頼してる感じも分かるし、噓のつけないステータスに”俺の使徒”って書いてあるから・・・本当に自分の味方だと信じれて安心してしまったんだろうね。


 19歳女子に心の不安を投げかけるアラサー男子、傍から見ると地獄絵図ですな。


「・・・ありがとうございます、ヒカリさま。全て話してくれて。伺った話は全て信じますし、この秘密はあなたと共に墓標に収まるまで持っていくと誓います。」


 いちいち発言が重いのですが。


 でも、知らない所にきて、最初に出会ったのがリオンで本当に良かったとは思うんだよなぁ。リオペディア万能だもん。


「・・・ありがとう、リオン。最初に出会ったのがリオンで良かったよ。」


「ああ・・なんという・・勿体ないお言葉・・。」


 うっすらと涙を浮かべ、小刻みに震え感動しているリオン。


 いやマジで、こちらこそお礼を言いたい。絶世の美女だし頼りになる子で良かったよ。これからの異世界生活にかなり希望持てたし・・・ちょっと激重感情を感じることがあるけども。

 

 これが、会った瞬間「ヒャッハァ!」なんて叫ぶ世紀末系美女から飛び掛かられて、めくるめく性の世界へ誘われたら・・・あれこっちもアリなんじゃない?


「ヒカリさまは、飛び掛かられる方がお好きなのですか?分かりました。」


 思考を勝手に読むのはやめてください。プライバシーの侵害ですよ。


「リオンのおかげで、現段階で知りたいことは整理できたよ、ありがとう。今後なんだけど、良ければリオンと一緒に行動してもいいかい?」


()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ので、別行動という選択肢は一切ないと思うのですが。」


 きょとんとした顔で(何故そんな分かり切ったこと聞くんですか?)という風に言ってくるリオン。

 

 そんな結婚前提の発言をした覚えがないんですが。リオンのような芸能人も裸足で逃げ出すような美女から求められるのは非常に嬉しいんだけど、相当怖いのよ。


 軽めのヤンデレは好物だけど、そんな軽い感じじゃないのよ。俺がほんの僅かでも拒絶しようものなら、笑顔で自身の首を刎ね飛ばしそうな怖さを感じるのよ。さっき、実際に刎ね飛ばそうとしたし。

 


 ・・・よよよよーし、難しいことは後で考えることにして、リオンから同行許可は頂いたということで、彼女と一緒に行こう!


 街についたら自立できるように頑張ろ!


ようやく長い説明パートが終わり話が進めれそうです。

お付き合いありがとうございます。

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