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選ぶ権利
美桜にメッセージを送ったあと、
胸の奥に残った熱は、優しさだけじゃなかった。
(……なんで俺がこんな気持ちになってるんだ)
自分でも分かっていた。
これは綺麗な感情じゃない。
田島が美桜を泣かせたことも、
噂を流したことも、
他の女と遊んでいたことも、
全部許せなかった。
でも——
それ以上に許せなかったのは、
美桜がまだ田島と
“付き合っている”という事実だった。
(俺が喚いたところで……意味ないよな)
美桜はまだ田島の彼女だ。
それが現実だ。
自分の気持ちなんて、美桜は知らない。
知らなくて当然だ。
だから、
嫉妬しても、怒っても、苦しくても——
(選ぶ権利は……美桜にある)
その事実が胸の奥に静かに沈んだ。
優しい人でいたい。
そう思ってきた。
美桜の前では、
余計なものを見せたくなかった。
でも、
胸の奥で、静かに、確かに、
濁った感情が形を持ち始めていた。
優しさの奥で、
どうしようもなく美桜を求めている自分がいた。




