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弱さを見せない人
美桜が心配だった。
美桜は別の会社にいる。
噂は直接届かない。
だからこそ、
一人で抱え込んでいる可能性が高い。
(美桜は……
自分から助けを求める人じゃない)
困っていても、
泣きたい時でも、
誰かに頼るより自分で何とかしようとする。
それが美桜の強さであり、
同時に脆さでもある。
そして——
別れ話を切り出しづらくなっているはずだ。
(大丈夫かな……)
(俺が……聞くしかないよな)
美桜は自分から言わない。
助けてほしいと言わない。
困っていることを隠す。
だから、
自分が動くしかない。
ただ守りたいだけだった。
それ以上の理由なんていらなかった。
スマホを取り出し、
少し迷ってからメッセージを打つ。
「美桜、今日少し話せる?」
送信ボタンを押したあと、
胸の奥が静かに熱くなる。
(守りたいんだよな……美桜のこと)
その思いが、
自分の中で揺るぎない事実になっていた。
もう美桜の涙を見たくない。
泣かせるやつも許さない。
(は……自分のもの気取りかよ)
でも、
少なくとも田島よりは…
美桜のことを真剣に想っている、俺は。




