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タイムカプセル~10年前のラブレター~  作者: 柚原 澄香


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叶多の戸惑い

昼休み、

秘書が何気なく話した。


「田島さん、言っていました。

“彼女が他の男と会ってた”って」


その瞬間、

匂わせだと気づいた。


名前は出されていない。

でも——

自分のことだと分かった。


(……俺のことだな)


怒りというより、

胸の奥が冷たくなる感覚。


美桜が傷つくのが分かる。

自分との時間が“噂”にされるのが許せない。


そして——

田島が美桜に執着していることも、

はっきり分かった。


(美桜……大丈夫かな)


次の約束をしたばかりなのに、

その約束が少しだけ遠く感じる。


でも——

それでも会いたい。


美桜の「会いたい」が胸に残っている。


田島は、なぜ美桜に執着しはじめた?


(俺が……守らないと)


静かに、

でも確かに、

胸の奥で何かが燃え始めていた。

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