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そっと触れる優しさ
涙が落ち着くどころか、
話し終えた途端にまた溢れてきた。
胸の奥がじんじんして、
自分でもどうしてこんなに泣いているのか
分からなかった。
(私……ちゃんと恋愛したいな)
心の中でそっと思った。
そんな気持ちが生まれたのは、
目の前の人があまりにも真っ直ぐで、
優しくて、嘘のない人だから。
涙を拭おうとしても、
指先が震えてうまくいかない。
そのときだった。
叶多くんの腕が、
そっと私の肩に回された。
驚いて顔を上げると、
叶多くんは一瞬だけ迷ったように目を伏せて、
それからゆっくりと私を抱き寄せた。
強くじゃない。
逃げ道を残すような、優しい抱きしめ方。
そして——
私の頭に、
大きくて温かい手がそっと触れた。
ゆっくり、
ゆっくり撫でてくれる。
その動作があまりにも優しくて、
胸の奥の固まっていたものがほどけていく。
「……っ、ひっ……」
声にならない息が漏れた。
涙がまた溢れて、止まらなくなった。
叶多くんは何も言わない。
ただ、私の頭を静かに撫でながら、
泣き止むまでそばにいてくれた。
その沈黙が、
言葉よりずっと温かかった。




