↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
タイムカプセル~10年前のラブレター~  作者: 柚原 澄香


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
74/104

亮介との関係

公園に着くと、

夕方の風が少し冷たくて、

さっきまで熱くなっていた頬を

静かに冷ましてくれた。


ベンチに腰を下ろすと、

胸の奥がまたぎゅっと締めつけられる。


(……言わなきゃ)


でも、

言葉にするのが怖かった。


「……あのね、叶多くん」


声が震える。


叶多くんは急かさず、

ただ隣で待ってくれていた。


「り……田島くん……」


叶多くんが、

静かに首を横に振る。


「いいよ。

俺に気遣わないで、そのまま続けて」


その一言で、

張りつめていたものが少しだけ緩んだ。


私は深く息を吸って、

ゆっくり吐き出した。



「亮介とは……

アプリで知り合ったの」


言葉にした瞬間、

胸の奥がじんと痛んだ。


「なんとなく……

自分も淋しい時期で。

亮介が遊んでる人なのは知ってたけど……

なんだか気が合って、一緒にいるようになって」



叶多くんは黙って聞いてくれている。

その沈黙が、責めるものじゃなくて、

ただ受け止めてくれるものだと分かるから、

余計に涙が出そうになる。



「私も仕事が一番だったし……

亮介くらいの距離感が、丁度良かったんだと思う。

会えば女の子扱いしてくれるし……

これでいいかなって……思ってた」


言いながら、

自分の声がどんどん小さくなる。


(こんな話……

本当は誰にも言いたくなかった)


でも、

止まらなかった。


「でも……

最近、こんな関係も良くないなって思い始めて……

別れようって……思ってる」


言い終えた瞬間、

肩の力が抜けた。


「さっき会社のエントランスで揉めてたのは……

私がどこに行くか気になったみたいで……

聞かれてて……」


思い出すだけで

胸がざわつく。


「亮介って、

あんなふうに私にこだわる人じゃなかったから……

少し困って……」


そして、

叶多くんの方を向いた。


「助けてくれて……ありがとう」


その言葉を言った瞬間、

喉の奥がツンと熱くて切なくなった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。