亮介との関係
公園に着くと、
夕方の風が少し冷たくて、
さっきまで熱くなっていた頬を
静かに冷ましてくれた。
ベンチに腰を下ろすと、
胸の奥がまたぎゅっと締めつけられる。
(……言わなきゃ)
でも、
言葉にするのが怖かった。
「……あのね、叶多くん」
声が震える。
叶多くんは急かさず、
ただ隣で待ってくれていた。
「り……田島くん……」
叶多くんが、
静かに首を横に振る。
「いいよ。
俺に気遣わないで、そのまま続けて」
その一言で、
張りつめていたものが少しだけ緩んだ。
私は深く息を吸って、
ゆっくり吐き出した。
「亮介とは……
アプリで知り合ったの」
言葉にした瞬間、
胸の奥がじんと痛んだ。
「なんとなく……
自分も淋しい時期で。
亮介が遊んでる人なのは知ってたけど……
なんだか気が合って、一緒にいるようになって」
叶多くんは黙って聞いてくれている。
その沈黙が、責めるものじゃなくて、
ただ受け止めてくれるものだと分かるから、
余計に涙が出そうになる。
「私も仕事が一番だったし……
亮介くらいの距離感が、丁度良かったんだと思う。
会えば女の子扱いしてくれるし……
これでいいかなって……思ってた」
言いながら、
自分の声がどんどん小さくなる。
(こんな話……
本当は誰にも言いたくなかった)
でも、
止まらなかった。
「でも……
最近、こんな関係も良くないなって思い始めて……
別れようって……思ってる」
言い終えた瞬間、
肩の力が抜けた。
「さっき会社のエントランスで揉めてたのは……
私がどこに行くか気になったみたいで……
聞かれてて……」
思い出すだけで
胸がざわつく。
「亮介って、
あんなふうに私にこだわる人じゃなかったから……
少し困って……」
そして、
叶多くんの方を向いた。
「助けてくれて……ありがとう」
その言葉を言った瞬間、
喉の奥がツンと熱くて切なくなった。




