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タイムカプセル~10年前のラブレター~  作者: 柚原 澄香


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告白

「……俺じゃ、ダメか?」


言った瞬間、空気が変わった。


美桜の目が揺れて、

その揺れが胸に刺さる。


(……言うつもりじゃなかったのに)


本当はもっと後で、

ちゃんとシチュエーションを整えて、

美桜が笑っている時に、

まっすぐ伝えるはずだった言葉だ。


でも——


(美桜は、幸せにならないとダメだ)


誰かに怯えたり、

誰かの都合に合わせて傷ついたり、

そんなのは絶対に違う。



一緒に笑う相手は、俺がいい。



その想いが、

抑えきれずにこぼれ落ちた。


美桜は困ったように視線を揺らし、

言葉を失っている。



(ほらみろ……困らせてるじゃないか)


こんなふうに美桜が揺れている時に

言うつもりじゃなかった。


もっと余裕のある時に言うべきだった。


これじゃ、

食事どころじゃなくなる。


叶多は小さく息を吐き、

美桜の名前を呼んだ。


「……美桜」


美桜が顔を上げる。

その瞳が不安で揺れている。


「困らせてごめん。

返事は今すぐじゃなくていいんだ」


ゆっくり、 

噛みしめるように言葉を続ける。


「ただ……

俺は本気だから」


その言葉は、

静かに、でも確かに空気を震わせた。


美桜の唇がわずかに震え、

何か言いかけて——


結局、言葉にはならなかった。

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