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タイムカプセル~10年前のラブレター~  作者: 柚原 澄香


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もうそれは恋なのでは?

体調が戻ってから数日。

もうすっかり元気で、

またいつものように仕事を詰め込んでいる。


資料をまとめて、

メールを返して、

会議で意見を求められて——


そんな“いつもの日常”のはずなのに。


ふとした瞬間に、

叶多くんの顔が浮かぶ。


玄関の前の袋。

「ちゃんと休んで」

あの短いメッセージ。


思い出すたびに、

胸の奥がじんわり熱くなる。



休憩中、

スマホを手に取る。


画面を開くと、

“叶多”という名前がそこにある。


それだけで、

胸がドキッと跳ねた。


「……なんでこんなに緊張してるの……」


自分でもわからない。


仕事のメールなんて、

どれだけ山積みでも平気なのに。

上司からの連絡だって、

深夜でも淡々と返せるのに。


なのに——

叶多くんへの“ひと言”が打てない。


頬がかぁっと熱くなる。


「心配してくれてるかもしれないのに……

 連絡するのが礼儀だと思うのに……」


頭ではそう思っているのに、

指が震えて、

送信ボタンに触れられない。


ドキドキしすぎて、

胸が苦しい。


こんな気持ちになるなんて、

思ってもみなかった。


「……連絡、したいのに……」


声に出した瞬間、

胸の奥がまた熱くなる。


体調はもう大丈夫。

助けてもらう理由もない。


だから——

口実がない。


ただ連絡したいだけなんて、

そんなのどう言えばいいのかわからない。


スマホを見つめて、

またため息が漏れた。


頬が熱い。

胸が苦しい。


どうしてこんなに、

叶多くんのことを考えてしまうんだろう。

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