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温かい涙
涙が落ち着くまで、
しばらくベッドの上で丸くなっていた。
胸の奥がまだ熱い。
呼吸も少し乱れている。
スマホを胸に抱いたまま、
画面をそっと見下ろす。
“叶多”
その名前が、
自分のスマホにある。
それだけで、
また涙がにじみそうになる。
——返信、しなきゃ。
そう思った瞬間、
指が震えた。
何を送ればいいんだろう。
どう言えばいいんだろう。
長い文章なんて書けない。
頭がぼんやりして、
言葉がまとまらない。
でも——
ありがとうだけは伝えたい。
震える指で、
ゆっくり文字を打つ。
> 『ありがとう。
> 本当に助かりました。』
送信ボタンを押す前に、
少しだけ迷った。
……これだけじゃ足りない気がする。
胸の奥が、
またじんわり熱くなる。
もう一行、
そっと付け足した。
> 『元気になったら、何かお礼させてください。』
送信。
画面に小さく
“送信しました”
の文字が出た瞬間、
胸がぎゅっと締めつけられた。
——どうしよう。
また涙がこぼれそうになる。
でも今度は、
さっきより少しだけ温かい涙だった。




