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決意のタイムカプセル
放課後の生徒会室。
夕方の光が机の上に細く伸びていた。
白い紙を前に、
彼はしばらくペンを動かせずにいた。
——10年後の彼女に。
そう思った瞬間、
胸の奥がじんと熱くなる。
今の自分じゃ言えない。
上っ面の笑顔でも、
肩書きでも、
“陽の会長”としてでもない。
ちゃんと胸を張れる自分で、
彼女の前に立ちたい。
10年後、
そうなれているだろうか。
そうなれるように、
変わっていく10年にしたい。
ペン先が紙に触れる。
「好きです」
書いた瞬間、
息が少し震えた。
名前を書こうとして、
手が止まる。
——今の俺じゃ、まだ言えない。
でも、
10年後の俺なら。
10年後の彼女になら。
そのときに、
ちゃんと名前を言えるように。
彼はそっとペンを置いた。
それが、
今の彼にできる精一杯で、
10年後の彼女へ向けた最初の一歩だった。




