「私も大好きです」
くしゃくしゃに笑いながら泣く
叶多くんを見た瞬間、
胸の奥がキュッと締めつけられた。
こんな顔、
男の人もすることにびっくりした。
嬉しくて泣いてるんだ──
そのことが、胸の奥にまっすぐ届く。
(叶多くん……
そんなに前から
私のことを想ってくれていたの?)
信じられない気持ちと、
信じたい気持ちが同時に押し寄せる。
だって叶多くんは、
いつも皆に囲まれていて、
生徒会長で、明るくて、
私なんかと接点なんて
ほとんどなかったはずなのに。
そんな人が、
10年も私を想ってくれていたなんて。
(明るく振る舞っていた叶多くんに、
そんな事情があったなんて……)
胸がじんわり熱くなる。
そして、
タイムカプセルの紙に書かれた
「好きです」の文字。
文字は、まっすぐだった。
迷いがなくて、
覚悟みたいなものがこもっていた。
(どうしよう……
私も泣いちゃうよ……)
叶多くんの涙が一筋、また頬を伝う。
その瞬間、胸の奥が決壊した。
(私も……叶多くんが大好きだよ。)
叶多くんが私を見つめる。
まっすぐで、揺れなくて、
10年前からずっと続いていた想いのままの瞳。
その瞳に、私は静かに微笑んだ。
涙がこぼれた。
叶多くんと私、
同じ顔で泣いてると思う。
そっと手を差し出すと
叶多くんが私をそっと抱きしめる。
私、
ずっとこうされたかった。
叶多くんの背中に手を回す。
「叶多くん、
見つけてくれてありがとう」
「私も叶多くんが大好きです」
たった四文字のラブレター
タイムカプセルが届けた想いー
2人の時間が新たに刻まれ始めるー
ー完ー




