↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
タイムカプセル~10年前のラブレター~  作者: 柚原 澄香


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
101/106

合わない視線と過去の記憶

「美桜?」


声をかけた瞬間、

美桜の肩がビクンと震えた。


さっき微笑んでくれたはずなのに、

視線はすっと横にずらされる。


(……あれ?待ち合わせだったか?)


自分が会社にいるなんて言ってない。

メッセージを送ったばかりで、

ここにいる理由なんて説明がつかない。


でも、

そんなことより──

美桜の肩の震えが気になった。


「今日、都合悪かったかな?改めようか?」


できるだけ優しく言った。

美桜を追い詰めたくなかった。


すると美桜は、

首を全力で横に振った。


「ち、違うの……

私も……叶多くんに会いたくて……」


絞り出すような声。

でも、視線はまだ合わない。


(……なんで目を合わせてくれないんだろう)


不安なのか、

緊張しているのか、それとも──

何か言いづらいことがあるのか。


「うん、なに?」


美桜の気持ちを急かさないように、

ゆっくりと隣のソファーに座った。


距離は近いのに、

触れられそうで触れられない。

そんな空気が流れる。


美桜は鞄をぎゅっと握りしめて、

その中から一枚の紙を取り出した。


震える指先。

呼吸が浅い。


「叶多くん……これ、見覚えある?」


紙が差し出される。


白い紙の端が、

ほんの少しだけ揺れていた。


(……まさか)


胸の奥が、

ゆっくり、でも確かに熱くなる。


10年前の記憶が、静かに呼び起こされる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。