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15話、いや~、一生分の運使い果たしたかも…。巻

私は、一週間振りに日記がつけれる喜びを

噛み締めていた。


その理由はAYAKASHI従属支配連合会メギドの構成員とその傘下を逮捕するのに協力を

したことが原因である。


メギドはかなり大規模な組織らしく、

世界中に拠点がある妖怪売買組織なのだが…

不思議な事になぜかトントン拍子で

メギド総帥の天極残夢てんごくざんむが呆気なく逮捕され組織が壊滅する。


そして私は部署に備えつけてあるTVで

流れているニュースの生中継を見ていた。


メギドに関わっている者達の

名前が凄かった。


長年政財界に君臨していた重鎮の名前や

有名IT企業の社長等、世界を長年

動かしてきた人物達がこの組織に

関わっていた事に世間は驚き

その話題でずっと持ちきりなのだ。


正直私達はメギド報復を恐れていた。


だがメギド総帥の息子天極聖が酒に弱く

飲み歩いては、至るところで組織の秘密を

話していた。


今回の情報も何処で漏れたのか

組織も把握出来ず報復の心配も

あっさりと消え去る。


ぬらりひょん様は恐らく座敷わらし|《光音》の力もあるだろうと話していた。


だが念の為に今回の一件が収まるまで

介護施設の潜入は控えると命令が下る。


まぁ人の噂も75日と言うことわざも

あるのでそれまでは新しい場所で頑張る事にする。


今私が所属している部署は

AYAKASHI本部偵察部隊(霞)なのである。


最初に覚さんからここに行けと言われた時には、

(えっ!危険な場所に潜入して情報を,獲ろと?)

と焦り胃腸が弱い

私は腹痛に悩み苦しんだ記憶がまだ新しい…。


しかし私が行う仕事は潜入ではなく


経理の事務仕事なのである。


するとドスドスと鳴る足音が背後から聴こえる。


私は足音のする方に振り向くと

レシートやら請求書そして謎のメモ書き達をぎゅうぎゅうに詰め込んだ

段ボールを重そうに運ぶ

ずんぐりむっくりの妖怪の姿が見える。


その妖怪は私のディスクへ無造作に

段ボールを置く。


彼の名前は妖怪べとべとさん(部戸崎文也べとざきふみや)

である。


部戸崎

「鈴木さんこの請求書の精算をお願いします。」


部戸崎

「いや~鈴木さんが来てくれたから凄い

助かります。」


部戸崎

「なにせ妖怪の殆どが体育会系なので細かい事が苦手なんですよ…」


部戸崎

「今までこれ全部、私だけでやってましたから本当に助かります。」


鈴木

「えっこれだけの物を全部一人でやってたのですか?」


部戸崎

「はい、そうなんです!」


私は積み重なった段ボールを見上げ

なぜか疲れがどっと出る。


私は、電卓を使い請求書に書かれている数字を無心で打ち込み整理していく…。


すると一枚の気になる請求書が

私の目に止まる。

════════════════════

⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯

領収書


No.11928051

AYAKASHI東京都部様 御中


金17,5500也


接待飲食代とサービス費として

確かに頂きました。


内訳”

(税抜価格) 13,0000円

(消費税35%) 4,5500円

[発信者情報]

永星ようせい16年8月2日


〒104-××××

東京都中央区銀座 7-8-9

美少女キャバレー(こんこん)

TEL: 03-XXXX-XXXX


(インボイス登録番号: T1234567890123)


⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯


私はこの請求書に、強い違和感を感じていた。


何故ならば、銀座と言えば大昔では

東京都にある大人の社交場として

機能していたが、現在は人口減少を理由に


大人の社交場が軒並みに潰れ現在では


巨大なゴミ集積所と火力発電所しか

ない筈なのである。


私はこの請求書と走り書きで書かれたメモ

(至急精算必要"狸田")

を持ち狸田さんがいる部署(霞)特攻隊に

向かって歩く。


すると私の携帯がなる。

覚さんからだ!また何かあるのかと慌てて

電話に出る。


光音

「もちもち!パパ?今何してるの?」


鈴木

「光音、どうした?何か合ったか?」


光音

「ううん、たださびちかったらけ…」


鈴木

「そうか…仕事が終わったらすぐ帰るから

いいこで待っててね。」


光音

「うん!はやくかえってきてね。」


そういうと電話向こうでがさがさと音がする。


「やぁ鈴木君!」この大きな声は覚さんだ。


「今日は特別な日だから早く帰って来なさい!」


鈴木

「特別な日?」


「何だ!自分の妻の誕生日も知らないのか!」


鈴木

「えっ!柊さんの誕生日て今日なのですか?」


「そうだ!」


鈴木

「柊さんの事を何にも知らないな…。」


鈴木

「覚さんありがとうございます。」


鈴木

「柊さんの誕生日プレゼントを買って帰ります。」


「その方が良いぞ!」


それを言うとまた電話向こうで何か

慌てている音が聴こえる。


光音

「パパまたももとくるみが、なにかいってる!」


くるみ

「鈴木太郎…私達も今日が誕生日なのだ…」


もも

「わたあめをくれれば喜ぶだろう…。」


鈴木

「ヘェ~くるみともも、も同じ誕生日なのか。」


鈴木

「わかった!わたあめだな、帰りに買って

来る。」


くるみ&もも

「ウム…鈴木太郎よ楽しみに待っている…」


光音

「わたちも、わたあめほしい!」


鈴木

「わかった買って来る!」


光音&くるみともも

「ウム、楽しみに待っている…」


そう伝えると電話が切れる。


私は幸せのため息をしながら鼻歌まじりで

AYAKASHI偵察部隊(霞)特攻隊がいる部屋に

たどり着く。


扉をノックして入ると生き物の気配を感じるが姿が見当たらず誰もいない。


私は直感的と本能をたより目の前にある


狸の置物に

「すみません、霞の経理担当である鈴木と言いますが狸田さんはいらっしゃいますでしょうか?」

と声をかけると狸の置物がいきなり

動きだし変化を解いて驚く。


「何でここにいるって見抜ぬけたんじゃい?」

と背中に特攻上等!!と金色の文字が

刺繍されている白い特攻服を

羽織り身の丈143cm位の小男が

こちらを睨みつける。


私は「それは何となくです。」と正直に答える。


すると大笑いをしながら小男が自己紹介をする。


「流石、覚親分の弟子だな!」


「俺は化けだぬきの、狸田天婦羅たぬたてんぷらてんだ!」


「夜露死苦!」


狸田さんは床にヤンキー座りをして私の方をチラリと見る。


私も立っているのが失礼なのかも知れないと思い同じくヤンキー座りをして話しをする。


鈴木

「今回私がこちらに来た理由はこの請求書について聞きたい事があって来ました。」


鈴木

「この請求書には美少女キャバレーこんこんの接待費とサービス費の請求額が書いてあります。」


鈴木

「ですが銀座にはその様なお店はありません!」


鈴木

「詳しく教えて貰えませんか?」


狸田

「ワリィ俺も詳しくは話せねぇ!」


狸田

「だけど大まかには話せるから誰にも言うなよ!」


狸田

「実はメギドの情報料なんだよ。」


狸田

「美少女キャバレーこんこんはその情報主を示す隠語なんだわ!」


鈴木

「もしかして美少女キャバレーこんこんとは風間理と言いませんか?」


狸田

「何故分かる!」


鈴木

「何となくです。」


狸田

「流石、覚親分の弟子だわ…」


狸田

「なんでも母親が車に跳ねられて治療費が

直ぐに必要らしくてな!」


狸田

「危険を省みずに情報と引換に妖怪売買の

秘密を話してくれたんだよ。」


狸田

「俺のポケットマネーだけじゃ全然足りなくてよ…」


狸田

「とにかく直ぐに金が必要何だよ!」


狸田

「鈴木頼む!予算おろしてくれ!」


それを聞いて私は風間理さんが何故

誘拐されたのか理由が分かり謎が一つ解ける。


それは風間理さんがひっそりと話していた

電話の件で私がAYAKASHIの職員で

ある事に感付いていた事である。


恐らく電話相手は風間理さんの、親族なのだろう…


会社が終わり私を待っていたのはその様な事もあっての事だったのだろう。


もしあの時に一緒に帰れば

彼女が怖い目に合わなかったかもしれない…


私は後悔していた。


するとたまたま霞特攻隊の扉の前を

通っていた柊さんと目が合う。


私の心を読んだのだろう


柊さんは手招きをしている。


私は狸田さんに後で話すと伝えて

柊さんの方に行く。


「話しは分かりました。」


「鈴木さん今から話す事は個人情報なので、他言無用でお願いいたします。」


「鈴木さんの同僚である風間理深雪さんの

母上様についてです。」


「恐らく、風間理深雪の母はメギドの指示 で車に跳ねられた可能性が高いです。」


「そして車に跳ねられた事により妖怪の体内にある妖気の核がひび割れ現在意識不明です。」


「風間理深雪さんのお母上はこのままでは

消滅します…」


「今は妖怪医療の権威である妖怪鎌鼬かまいたち鎌蔵かまぐら様に治療していただいていますが…」


柊さんが私につらい事実を話すと柊さんも

悔しそうに拳を握り締める。


するとまた覚さんから電話がかかる。


光音が

「パパ!またくるみとももがなにかいってる!」


私はこんな時にわたあめの催促なのかと

考えていた。

電話がくるみとももに代わる。


くるみ

「鈴木太郎…このままでは哀れなバケギツネである娘の母はこの世を去るだろう…」


もも

「鈴木太郎…しかし妖怪病院に光音を連れて行けば母は救われるだろう…」


それを聞いた私は覚さんに電話を代わって

貰い事情を全て伝えると妖怪病院に急いで

向かう。


私達が病室にたどり着くと重苦しい空気

と激しい悲しみが溢れ包んでいた。


徐々に冷たくなっていく母親にすがり付き

泣き叫ぶ女の子がいる。


風間理深雪さんだ…


私は、くだんであるくるみとももを信じて


光音を連れて風間理さんに挨拶をする。


風間理深雪

「あれっ鈴木さん何でここにいるのです

か?」


鈴木

「ちょっと色々と、訳がありまして…」


風間理深雪

「もう私のお母さんはこの世からいなくなるの…」


風間理深雪

「私の家族は母しかもういないのに…」


今にもこの世から消えそうな悲しみを背負う

彼女の顔は青ざめていた。


すると光音が風間理さんの母親が寝ている

ベッドに乗ると何かを念じ始める。

風間理さんの母親に暖かい光が包む。


光音

「パパわたちだけじゃだめ!」


光音

「パパのちからもかして!」


そう私に伝えると小さな右手を私に差し出す。


私は祈る様に光音の手を握ると

光音から放たれる光が強くなる。


激しい光と共に風間理さん、母がその光に

飲み込まれていく。


光が徐々に収まると風間理さんの母の意識が戻る。


光音は力を使い果たしたのだろう

そのまま寝息をたてて深い眠りにつく。


私にも何故か激しい睡魔が襲いかかる。


だが倒れると光音との約束が守れない

そう思い意地で起きる。


私達の側にいた覚さんと柊さんが倒れそうな私を支える。


意識を取り戻した母親にしがみついて泣く

風間理さんの姿を見て私は光音に

「良くやった!」と優しく頭を撫でる。


寝言で「パパもね…」とヨダレをたらしながら光音が話すので思わず皆で笑ってしまう。


すると看護士さんに


「ここは病院です!」


「静かにして下さい!」


と怒られてしまう。


私達は風間理親子だけにしてAYAKASHI本部に戻って行く。


私の携帯に一通のメールが届く。


「どうも部戸崎です。」


「鈴木さんあなたは仕事を放棄して無断で

何処かに出掛けましたね…」


「仕事が全然間に合わないので残業お願いします!」


部戸崎さんからの怒りのメールだった。


私は深いため息をしていると


覚さんがいきなり

「ここは鈴木家一同力をあわせて鈴木君の

仕事を手伝うか!」


そういうと柊さんやくるみとももそして光音も「オー」と声を上げる。


私は良い家族とはこういうものなの

かもしれないと思いながら

AYAKASHI本部に向かう。








































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