第7章 9話
私はまさに運命という言葉を噛みしめていた。
東西南北どの方角から出ようとしても、様々な方法で止められた。
ある所では工事の通行止めで。
ある方向では路上ライブの為にファンで埋め尽くされていた。
こういう事を今までやった事が無かったけれど。
どうも私を秋葉原から外へは出したくないみたい。
そして、そこから逃げるように離れると秋葉原の中央通りへと戻っている。
まさにこれからここの地下で実験が行われようとしている。
そろそろ19時ね。
そこでもう一つ試してみたい行動があった。
さすがにここからダイビルの地下へは無理矢理に運ぶというのは考えられない。
それでも強制力が働くのかを調べてみたい。
じっと待つ。
何も起こらない?
そろそろ20時になろうかとしている。
つまり、もうそろそろ実験が失敗する時間。
地下の実験場へと着いていないのは初めて。
少し戸惑う。
つまり地下に行くのはそれほど重要じゃないって事?
辺りを見渡すが、やはり何かが起きてダイビルの地下へと行くという展開にはならない。
どういう事?
ついに20時を過ぎた。
そろそろ実験が失敗する時刻。
はっ!?
そこで初めて見た。
地下から黒い空間が広がっていく様を。
まさにこれからブラックホールが秋葉原を飲み込もうとしている。
これまで地下にいたから分からなかったけど。
街が飲み込まれるという瞬間を目撃している。
そして。
私も飲み込まれた。
この時に思い知った。
つまり地下にいる事自体は重要じゃないんだと。
ただ19時以降にならないと入れないというだけで。
入る事自体は決まった事じゃない。
でも事故を阻止するには地下に入るしか方法が無い。
そして今回の事はまた新たなイレギュラーとなっている。
つまり、死を回避した人間に会っていない事。
これまで必ずと言ってもいいぐらいに出会っていたのに。
今回は誰にも会わなかった。
でも、それは積極的に関わろうとしなかったから。
もしダイビルに入ろうとしたら、誰かには会っていたのかも。
あれ?
ここで気づいた。
私は未だブラックホールに飲み込まれている最中。
これまでは飲み込まれたと思った次の瞬間には、秋葉原駅の所へと飛んでいた。
なのに今回はそれがない。
まさか、飲み込まれた場所が違うから!!?
これまでは地下の研究所で飲み込まれていた。
つまりブラックホールが出来てすぐの距離。
でも今回は違う。
その違いのせい!?
どうしよう。
まさか、このまま延々この状態に!?




