黒幕
それから追手を返り討ちにする日々が続いた後、やがて戦力が集まったコーネリアスはいよいよ王都奪還へと軍を動かした
城壁を挟んで小競り合いが続く
しかし、これは陽動だった
コーネリアスは精鋭を連れ、王城に通じる隠し通路を使い、一気にマルエガを討ち取る計画だった
その計画の最終段階が動き出そうかという頃、イブキのもとにシャルロッテが現れた
「シャルロッテ?なぜここに」
シャルロッテは一人だった
リリアーナの護衛はどうしたんだ
しかし、その答えはすぐにわかった
「すまない。王女が攫われた」
「なんだって」
「戦おうとしたが、目の前で王女が人質にされて手が出せなかったんだ」
シャルロッテは船着き場でリリアーナと再会した
そして、リリアーナからコーネリアスとイブキのことを聞いたあと、港町ドラクセルでイブキが帰ってくるまで待つという決断をした
しかし何者かによってリリアーナのことが知られたようだ
その日、魔導士と思われる人物達がリリアーナを襲った
リリアーナを人質にされたシャルロッテは手出しができなかった
魔導士はリリアーナがステラクリスを持っていないことを知ると、「王女はステラクリスと引き換えだ」と言い、そのまま連れ去った
人質交換の場所は王都の南にあるペマーレという街の教会だった
その話を聞いていたコーネリアスは
「やはり、奴らが黒幕なのか」
そう言い放つ
「リリアーナを連れ去った相手に心当たりがあるのか?」
イブキがそう尋ねるとコーネリアスは答える
「ああ、おそらくサロス教団だ」
「サロス教団?」
「マルエガの背後にサロス教団の影があることはなんとなく察していた。なぜマルエガがステラクリスを欲しがるのかわからなかったんだが、サロス教団の目的がそれというのなら納得できる」
それを聞き、シャルロッテも反応する
「サロス教団はオルフェリア国にも存在する。そう言えば、ケネスもその教団に所属していた」
つまり、和平反対派を操っているのはサロス教団だということか
話を聞いたシャルロッテは
「私は王女の救出に向かう」
そう宣言した
しかしコーネリアスがそれを止める
「待て。サロス教団には魔導士がいる。剣士のお前では勝てない」
それを聞いてイブキも納得する
魔導士は空を飛べる
剣士では一方的にやられる
つまり、方法は一つしかない
「リリアーナは俺が救出する」
イブキはそう宣言した
コーネリアスもそれに納得する
「確かに。お前は並外れた魔導士だ。お前ならばやれるかもしれない」
それを聞いてシャルロッテは
「しかし・・・」
何か言いたげだ
気持ちはわかる
彼女もリリアーナの護衛としてここにいる
イブキはシャルロッテに告げる
「王都奪還の作戦は動き出している。お前はそっちに力添えをしてやってくれないか。これも和平を成立させるための重要な仕事だ」
それを聞き、シャルロッテはしぶしぶという形ではあったが、同意した
翌朝、イブキがペマーレへ向けて飛び立つと同時に、コーネリアスのマルエガを奇襲する作戦も動き出した




