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刺客

「二人とも、耳を貸してほしい」


そうしてイブキは自分の考えを二人に伝えた

犯人は魔導士である可能性が高いこと、そしてケネスが信頼できるかどうかを確かめたいということ


二人はケネスを疑っていないようだったが、念には念をだ


それからケネスが二人に合流したが、イブキは意図的にその場から離れていた

そして、イブキのことはまだ話さないでもらった


シャルロッテが二人に告げる


「海に行って何か食料になるものを探してくる」


それを聞いてリリアーナは


「私達は薪を拾いに行きましょう」


ケネスにそう言った


そうして、リリアーナとケネスは森に入っていく

やがてリリアーナが一つの大きな木の根元で薪を拾い始めた時、異変が起こった


リリアーナに向けて攻撃魔法が放たれる

しかし、その魔法はリリアーナの直前で弾き返された

木の後ろからイブキが姿を現す


「どうやら見つかったようだな」


イブキの目の前にはケネスがいた

リリアーナに向けて攻撃魔法を撃つのをはっきりと見た


リリアーナは驚きの表情を浮かべている


ケネスはイブキに対し怪訝な表情を浮かべる


「お前は誰だ?」


「知らないのか?お前が壊した魔道船をここまで持ちこたえさせた人物だよ」


「そうか。余計なことをしてくれたのはお前か」


二人の間に緊張感が高まっていく

お互いが相手から視線を外せない

次の瞬間、攻撃魔法の応酬が始まった


動き回ってイブキの攻撃魔法を躱すケネスに対し、イブキは相手の攻撃魔法を弾くしかできない

リリアーナを守りながらの戦い


魔法の威力は明らかにイブキのほうが上だが、相手の魔法を躱せない分、魔力の消耗はイブキのほうが激しかった

しかも、まだ魔道船での疲れが残っている


「二人まとめてここで葬る!」


ケネスのその言葉に対し


「そうはさせない」


そう答えたのはイブキではなかった

ケネスの背後からシャルロッテが斬りかかった

鮮血が舞う


「くそ、全部仕組まれていたか」


そう言うと、ケネスは空に浮かび上がった


「ちっ、浅かったか」


シャルロッテがそう吐き捨てると同時に、ケネスを強力な魔法が捕えた

イブキの一撃だった

魔法を受けてボロボロになったケネスはそのまま落下した

そして、しばらく何かしようとしたが結局そのまま動かなくなった


そのケネスを三人が眺める


「まさか、ケネスが・・・」


リリアーナはショックを受けているようだった


「ケネスに暗殺を依頼した人物に心当たりは?」


イブキが尋ねるとリリアーナは


「わかりません。おそらく和平に反対する勢力の誰かでしょう」


「そうか」


三人はそのまま他の乗員達のもとへと戻った

その日、魔道船にあった食料が配給され、三人は焚火を囲みながら食事を終えた

そして、今後について話した


「とにかく、空を飛べる魔法があるとわかった以上、俺はそれが出来るようになるつもりだ。実際に使うところを見せてもらったしな」


イブキがそう言う

まずは誰かが救助を呼びにいく必要があるが、残された乗員には魔導士はイブキしかいないようだった

イブキは続ける


「そして、空を飛べるようになったら、もう一人運べるかを試してみる。もし可能であればリリアーナは俺が陸まで連れて行く」


さすがに三人同時に移動することは難しいだろう

リリアーナを運んだほうが良いと思ったのは、万が一、乗員に他にも刺客がいた場合にシャルロッテだけで守れるかわからないためだ

陸の街まで行けば、身を隠せる場所はいくらでもあるだろう


そうして、その日はイブキとシャルロッテが周囲を警戒しながら交互に睡眠を取った

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