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王女と護衛

イブキがそのまま大の字になって休んでいると、何人かの船員がやってくる

そのうち一人がイブキに話しかけた


「私は船長のルシウスだ。君のおかげで大勢の命が救われた。礼を言わせてくれ」


「ああ・・・」


そして、船員たちは動力炉を調べ始めた

どうやら動力炉の異常の原因を探っているようだ

そして、その会話からわかったことは、これは故障などではなく、人為的なものだということだった

誰かが意図的に墜落させようとしたということになる


しかし、そうなると犯人も死ぬことになる

自分の命を顧みずにやったのか、それとも自分だけは助かる方法があったのか


いずれにせよ、それをやった犯人はまだ近くにいる

もしその狙いが王女の命であったのであれば、この無人島でも王女を襲うはずだ

イブキはフラフラと立ち上がると、船の外に出ている王女達を探した


外に出ると乗客達が個人個人で島の調査をしている

下手をすればサバイバルが続いていくことになる

だからだろう


そうして王女を探していると、例の女剣士が近づいてきた


「言っておくが、俺は刺客じゃないぞ」


イブキがそう言うと女剣士は答えた


「わかっている」


女剣士はシャルロッテと名乗った

27歳

剣士だけあって身体付きは良い

どうやらオルフェリア国ではかなり名の知れた剣士のようだ


そして、ここにはいないが、もう一人の姫の護衛はケネスと言うそうだ

26歳

魔導士らしい

王国随一の魔力を持つとのことだ


魔導士だったら、さっき手伝ってくれても良かったのに

そんなことをイブキが考えているとシャルロッテが頭を下げる


「礼を言う。お前のおかげで我々は命を救われた」


「ああ。でもまあ、おかげで誤解は解けたようだな」


そして今なら話せると思ったイブキは本来の目的を話した


「実は俺は王女の護衛を頼まれている。依頼主は言えないんだが」


「そうか。依頼主が気になるが、言えないということは無理には聞かないでおこう」


そして、イブキは今回の墜落事件についてシャルロッテに話した

誰かが意図的に魔道船を墜落させようとしたこと

その人物は乗員の誰かであること

そして確定はしていないが、目的は王女の命かもしれないということ


それを聞いたシャルロッテは考え込む


「私のことは疑わないんだな」


「ああ、だって墜落が始まった時、俺に剣を向けていたからな。シャルロッテは確実に犯人じゃない」


「複数犯かもしれないぞ」


「それは考えていなかった。で、犯人の一味なのか?」


「そんなわけがなかろう」


「その回答で十分だ」


そうして、イブキのことをリリアーナに紹介してもらえるようシャルロッテに頼み込んだ


リリアーナはすぐ近くの人込みの中にいた

無防備すぎる気がする

いや、まだ事情を知らないということなのだろう


シャルロッテはイブキを紹介した

船の乗員の命を助けてくれたこと

リリアーナの護衛をしたいということ


それを聞いたリリアーナは考え込むと


「ケネスにも相談してみましょう」


そう言った

しかしイブキは唐突に質問をする


「一つ聞いていいか?そのケネスって人物は魔導士なんだよな?」


「ええ、そうです」


リリアーナが返答する


「もしかして、ケネスは魔法で空を飛べたりするのか?」


それを聞いてリリアーナがハッとする


「そうだ。ケネスに頼めば救助船を呼んできてもらえるかもしれない」


「つまり、空を飛べるんだな?」


イブキはその魔法の存在を知らなかった

空を飛べる魔法が存在するなら、魔道船を墜落させた犯人は魔導士である可能性が高い

でなければ、自分の命も助からないからだ

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