表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
10/16

リリアーナの救出

その翌日、場所が変わって、ペマーレの街の教会の前にリリアーナが連れ出されていた

その周囲には教団の信徒が集まっている

明らかに魔導士と思われる人物も何人かいる


そして、その光景を高見から見物している人物がいた

ヘムァン

サロス教団の大司祭だった

教団の実質的なトップということになる

50代くらいの見た目をしている


しかし、そのまま何事も起きず1時間近くが経過しようとしていた

イブキは教団の信徒に「見張りの交代だ」と言って、リリアーナの元に近づいた

その相手も「ああ、そうなのか」と少し首を傾げる程度だった


リリアーナのもとに行ったイブキはリリアーナに話しかける


「逃げるぞ」


「え?」


リリアーナはその顔を見て、驚きの表情を見せる

そして、静かに頷いた


イブキはリリアーナを背負うと一気に宙へと飛び出した


「なんだと!」

「追え!」


すぐさま号令がかかる

10人ほどの魔導士が二人に向けて飛んでいく

明らかに敵のほうが早い

やはり二人で飛ぶのは速度が出せない


イブキは一定の距離を飛んだあと、逃げ切れないと判断した

迎え撃つべく、一旦地面に降りる


「俺から離れるなよ!」


リリアーナは頷く


直後に強烈な魔法の応酬が始まった

リリアーナを守りながらの戦いはすでに経験済みであり、そのための魔法と戦術は考え出されていた


しかし、敵は力では負けると判断し、持久戦に打って出る様子を見せた

四方から物影に隠れて魔法を放ってくる

街中の戦いでは不利かもしれない


「リリアーナ、俺に全力でしがみつけ。決して離すんじゃないぞ」


それを聞いたリリアーナはイブキにしがみついた

直後、再びイブキはリリアーナを背負ったまま宙を飛び空中戦に打って出た

逃げられるわけにはいかない魔導士達も同じく空中に出る


今度は八方から取り囲まれるが、イブキは冷静に一人ずつに魔法を放つ

その魔法を受け、魔導士達は次々に墜落していった


やがて、残り一人になった魔導士はイブキ達に背を向けて逃げ去っていく

しかし、別の人物がその一人を撃ち落とした


大司祭ヘムァン

空中でイブキ達に対峙する


ヘムァンはイブキに向けてゆっくりと語り掛けた


「教団以外にもこんな魔導士がいたとはな」


「なぜ味方まで殺した!」


「何事にも見せしめは必要だ」


敵前逃亡は死罪ってやつか

イブキは怒りを込めてヘムァンに叫ぶ


「お前達の目的はなんだ!なぜリリアーナを攫った!」


それに対しヘムァンは嘲笑するような語り口だった


「そんな小娘はどうでもいい」


「なら、お前達の目的はステラクリスってわけか?」


それに対し、ヘムァンは何も語らずに魔法を練り上げていく

明らかにさきほどまでの魔導士とは格が違う


直後、イブキの真上から魔法が発動した

とっさに躱せたものの、街に直撃したその魔法は建物をいくつも破壊した

滅茶苦茶しやがる


イブキは魔法で反撃するものの、ヘムァンはそれを魔法壁で無効化した

この程度の魔法じゃ倒せない

全力の一撃を食らわせるしかない

そのためには空を飛んでいては集中できない


イブキはそのまま逃げを打った

街の外まで飛んでいく

当然、ヘムァンもそれを追う

背後から放たれる魔法を何度も躱し、ようやく町の外の平原に降りた


同じく地面に降りたヘムァンはゆっくりと近づきながら語り掛けてくる


「観念したか?」


「あのままじゃ俺の全力は出せないんでな」


「愚かな。神に授けられたこの力に勝てると思っているのか」


「へえ、奇遇だな。俺も神から力を授かったんだよ」


それを聞いたヘムァンは笑い出す


「ならば、その力を見せてみるがいい」


「言われなくても見せてやるよ」


そうして、二人は同時に魔力を高める


やがて、両者が同時に魔法を放った

二つの魔法がぶつかり合う

しかしイブキの魔法の威力が勝った


魔法を受けたヘムァンは吹き飛んだ

倒れたヘムァンにイブキはゆっくりと近づいていく


「どうやら俺の神のほうが上だったようだな。これでお前達の野望も終わりだ。この世界には平和が訪れる」


しかし、ヘムァンは虫の息で嘲笑するように語った


「何も・・・終わってなど・・・・いない。全て順調だ・・・・。あと少しで・・・計画は完成する」


「どういうことだ?」


しかし、ヘムァンはそのまま息絶えた



疲れた様子のイブキのもとへリリアーナが駆け寄り、語り掛ける


「ごめんなさい」


「いや、お前は何も悪くないだろ」


「いえ、私がもう少し軽ければ、もっと楽に飛べたのに」


なんだそれは

そんな事を気にしていたのか


イブキは苦笑しながら返事をする


「今のままで十分だと思うぜ」


「いえ、もう少し痩せようと思います」


「いや、必要ないって」


そうして、二人はリーベル国の王都へ向かった

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ